療育とリハビリの違い
療育とリハビリの違いは、「療育」という概念のほうが広く、その中の1つとして「リハビリ」があります。
ここで言う「リハビリ」とは、発達障害児の支援に関わるような「小児のリハビリ」を指しています。
解説
療育とは?
障害のある児童の育成については、できるだけ早期に、適切な医療的リハビリテーション、指導訓練などの療育を行うことにより、障害の軽減及び基本的な生活能力の向上を図り、自立と社会参加を促進している。
「障害児に対する早期療育及び教育」(内閣府)より引用
内閣府のサイトによると、早期療育は上記のように表現されています。
(早期療育は文字通り療育を早期に始めることです)
このように、療育とは医学を踏まえて指導や訓練を行うことで、障害の軽減や生活能力の向上、自立や社会参加の促しを行うことであることがわかります。
一方で、療育は「医療」のみで完結するものではありません。
障害児を支援するには社会制度を活用する「福祉」の分野も必要ですし、「教育」や「保育」も必要です。
このように、療育とは様々な学問の知識を使って障害のある子供達を支援する幅広い概念であることがわかります。
リハビリとは
リハビリとは成人から小児まで多岐にわたる分野ですが、療育に関連したリハビリとしては小児分野のリハビリが挙がるでしょう。
先述の療育の定義から、リハビリは療育の中の1つのアプローチであることがわかります。
リハビリには大きく理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の分野があります。
理学療法は立つ・歩くなどの基本動作を主としたリハビリです。
作業療法は自転車に乗る・箸を使うなど応用動作を主に学習します。
言語聴覚療法は文字通り言葉やコミュニケーションのリハビリです。
療育とリハビリ
リハビリは先述のように大きく理学療法・作業療法・言語聴覚療法の3つの分野があります。
療育でリハビリを受ける場合はこれら3つの分野のいずれかを受けることになるでしょう。
(作業療法と言語聴覚療法など同時に複数受ける場合もあります)
加えて、例えば発達支援センターで小集団の保育を受けることも療育であると言えます。
このような施設では発達障害についての知識がある保育士が専門的な対応をします。
また医療制度に則ったリハビリとは異なるものの、常勤で作業療法士や言語聴覚士が勤務しその専門的な視点から保育をサポートする場合もあります。
参考資料
『II.-2.障害児に対する早期療育及び教育』(内閣府)2022年4月8日検索