流動性知能とは?
流動性知能とは、未知の状況での問題解決に役立つ知能を指します。
「地頭の良さ」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
流動性知能は人の知能を構成する因子の1つと考えられています。
知識や経験を活かした既存の問題解決に活躍する結晶性知能と対照的な知能であり、
流動性知能は年齢とともに低下していく傾向にあることも特徴の1つです。
解説
知能とは?
知能を「結晶性知能」と「流動性知能」という因子で考えたのが心理学者のレイモンド・キャッテル(Raymond Cattell)氏です。
知能とは単なる知識やテストで良い点をとることではありません。
知能とは「物事を『理解し』それに「意味を与え』、何をすべきか『見抜く』ためのより広く深い能力」であると考えれています。
そしてこの「知能」を構成する要素は1つではなく複数の要素が関連し合っているという考えが現在は主流です。
知能を構成する具体的な要因は学者によって様々ですが、そのうちの1つが上述の「結晶性知能」と「流動性知能」です。
流動性知能の特徴
流動性知能はこれまで遭遇したことのない状況で、既存の知識では解決できない問題を解決する能力です。
このため流動性知能は演繹的推論や帰納的推論課題によって測定されます。
具体的な検査としてはレーヴン漸進的マトリックス検査(RPM)などが例としてあります。
流動性知能は成人初期をピークに低下する傾向があります。
結晶性知能とは?
結晶性知能の特徴
流動性知能と結晶性知能の違い
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索
『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索
『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧