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サ行の構音訓練の終了基準
前回のステップまでで、サ行の音の構音がおおむね可能となりました。
このステップではサ行の構音訓練を終了するための仕上げ・判定を行っていきます。
解説
意義
構音訓練はきちんと目標を持って行うことが重要です。
漫然と練習しては、ただ訓練が続くだけで上達が見込めません。
どういう状態になれば練習が完了するのかという「終了基準」を明確にしていきます。
方法・手順
短文復唱・音読の再確認
前回までのステップで扱った、サ行の文章の復唱・音読にてサ行の音の状況を再確認していきます。
構音検査による再評価
構音検査など客観的な方法にて、子供の発音状況を再評価します。
ここできちんと初回時より改善が見られるかを確認していきます。
日常生活場面を含めた終了判定
- 日常会話で常に正しく構音できる
- 構音が自動化できている(本人が意識しなくても発音できる)
- 親・教師・友達など周囲の人が本人の発音に異常を感じない
終了判定としては上記のような点がポイントになります。
保護者によっては子供の構音に漠然とした不安を抱える人もいるでしょう。
終了判定を明確にし共有することは、本人や保護者の自信にもつながります。
経過フォロー
指導終了後、3か月後および6か月後に構音が維持できているかの評価を行うと有意義です。
構音訓練が終了した後もきちんと音をキープできるかが、訓練終了における重要なポイントになるでしょう。
訓練が終了した途端「さようなら」ではなく、アフターフォローもきちんと行っていきます。
目標が達成できなかった場合
知的な面や家庭環境などから、構音が十分に獲得できないケースもなくはないでしょう。
構音訓練において目標が達成できなかった場合はその要因を分析しておくことも大切です。
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構音訓練の一覧
参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年