サ行の構音訓練

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【構音訓練】ストローからサ行の音へ誘導|子供の発音の指導方法(サ行)

公開日:2024年5月22日

前のステップ

 
 


 
 

s(無声歯茎摩擦音)への誘導

 前回のステップで、サ行の前段階となる「θ(無声歯摩擦音)」の産出を行いました。

 このステップでは「θ(無声歯摩擦音)」から「s(無声歯茎摩擦音)」へ誘導していきます。

 前回のステップを復習しながら、丁寧に「s」を安定させていきます。

 
 
 

解説

意義

 練習の途中経過としては有意義な「θ(無声歯摩擦音)」ですが、当然ながら最終的には正しいサ行の音である「s(無声歯茎摩擦音)」の獲得が必要です。

 「θ(無声歯摩擦音)」が十分に安定している、つまり舌端での摩擦した呼気の産出が安定したら、徐々にそれを「s(無声歯茎摩擦音)」に誘導していきます。

 このあたりは重要な基礎練習になります。
 「ストローを使ったθ」→「ストローを使わずにθ」→「θからs」とこのステップを必要に応じて行きつ戻りつしながら「s」を安定化させていきます。

 
 

方法・手順

摩擦した呼気の復習・安定

 前回のステップで獲得した、「θ(無声歯摩擦音)」を復習します。

 ストローを使わず舌端と歯で狭い空間を作り、摩擦した呼気を出します。

 練習の日がまたいで忘れてしまっている場合などは、再びストローを使いながらしっかりと安定化させていきます。

 

θからsへ

 「θ(無声歯摩擦音)」の状態から、舌や口の形はそのままで、舌の位置を静かに口の中に引っ込めます。

 この状態で同じように呼気を出し、「s(無声歯茎摩擦音)」を産出していきます。

 難しい場合はストローを前歯で軽く噛ませて行います。

 

sが出ない場合

 すぐに「s(無声歯茎摩擦音)」が出ない場合は、「θ(無声歯摩擦音)」を復習しながら地道にやっていきます。

 ちなみに「ts」の構音ができる子供の場合は、「ts」を引き伸ばすことで「s」になる場合があります。
 その子の構音の状態によって促し方を工夫していきます。

 
 
 

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参考資料

湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年

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