「さ行」が言えないときはどうしたらいいか?
子供が「さしすせそ」つまり「さ行」が言えない。
「さしすせそ」がなんとも言えない不明瞭な音だったり、
「さしすせそ」が省略されていたり、
「さかな(魚)」が「たかな」になるように
「さ行」が「た行」の音になってしまっていたり。
「さ行」の音がうまく発音できない場合はどうしたらいいでしょう?
子供が「さ行」の音を言えない場合、
お子さんが発音練習をするに適した時期かをまず見極め、適切な時期であれば発音練習をします。
以下、もう少し詳しく。
「さ行(さしすせそ)」の音の性質
「さ行(さしすせそ)」の音は4歳半前後くらいから獲得される舌先を使って発音する音です。
「さ行」の音は音声学的には「無声舌尖歯茎摩擦音(むせいぜっせんしけいまさつおん)」と言います。
※厳密には「し」は他の「さすせそ」と異なった性質を持つのですが、専門的な話になるので割愛。
つまり、
「無声」→ 声帯を動かさず
「舌尖」→ 舌の先っぽを使い
「歯茎」→ 歯ぐきを使い
「摩擦」→ 口から細く長く息を出す
音だということです。
発音を練習するかの時期の見極め
以下の条件を満たした場合、発音練習の適齢期かと。
4歳半前後以上の言語力
先述の通り、「さ行」の音は4歳半前後くらいに出る音ですから、それ以前の年齢で「さ行の音が出ない」と心配してもちょっと早すぎます。
「さ行」の発音練習は4歳半前後から。
ちなみにこれは単に実年齢だけでなく、言語発達年齢や知的機能が4歳半相当に伴っていることが前提です。
発音に関係する疾患がない、あるいは対処済み
例えば発音に関わる「口蓋裂」。
音の聞き取りに関わる「難聴」。
これらがあるとそもそも論で発音に影響が出ますので、
こういった疾患がない、あるいは手術などで対処済みであることが発音練習の前提になります。
学習習慣が身についている
当然ながら発音練習は大人の指導の下に行います。
机に座っていられるとか、大人の説明をちゃんと聞くとか、そもそも学習習慣がないと発音練習をしても効果が上がらないです。
大人と一緒に机に座ってやりとりができる。これが30分~1時間くらいできるかどうかが1つの目安になるでしょう。
まとめ
以上のような条件を満たした上でお子さんが「さ行」が言えないのであれば、発音練習をやってみても有意義かもしれません。
練習方法はこちら。
あるいは、専門機関で練習するのも1つの方法です。
子供の発音の練習は医療的には小児リハビリのジャンルになり、
発音練習は医学的には「構音訓練(こうおんくんれん)」と言われます。
最寄りの小児科なので、構音訓練ができる機関がないか相談してみてもいいでしょう。
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