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「さ」の単語レベルの練習
前回のステップで「さ」の無意味音節レベルの学習を行いました。
このステップでは「さ」が含まれる単語の構音を行います。
他の音についても同様ですが、単語レベルの構音訓練は単語リストがあると練習がはかどるでしょう。
解説
意義
同じ音でもどのような状況で発音するかでその難易度は異なります。
単音で言うより単語で言うほうが一般的には難しいでしょうし、単語よりも文章が、文章よりも会話のほうが難しいでしょう。
単語での構音訓練は文章での構音訓練の前段階となります。
練習音が最初につく語頭（「サイ」など）、最後につく語尾（「朝」など）、間にある語中（「火災」など）、音の位置ごとに練習していきます。
また単語の文字数も段階を踏んでいきます。
- 組み合わせる音は、子供が正しく構音できる音を用います。
- 練習音と置換している音はまだ使用しません。
（例えば「さ」が「ちゃ」になるなら「ちゃ」の音は避けます。これらは耳の訓練における正誤弁別の段階で取り扱います。） - まだ練習していないサ行の連続音は避けます。。
（これも正誤弁別の段階で取り扱います。）
以上のような点に注意して練習を行います。
方法・手順
２音節
まずは２音節で語頭・語尾の練習を行います。
「さい（サイ）」「さめ（サメ）」（語頭）
「あさ（朝）」「かさ（傘）」（語尾）などです。
はじめは母音（あ・い・う・え・お）を使ったほうがやりやすいでしょう。
慣れてきたら子音も取り入れていきます。
先述の通り、子音を取り入れる場合は子供が構音できる音を用いるよう気をつけましょう。
３音節
２音節ができたら今度は３音節にて語頭・語尾・語中で行います。
「さくら（桜）」「さいた（咲いた）」（語頭）
「はやさ（速さ）」「ながさ（長さ）」（語尾）
「はさみ」「かさい（火災）」（語中）
多音節
３音節程度までできるようになったら、それ以上の単語も触れていきます。
「おさいふ（お財布）」「ながさき（長崎）」などです。
工夫
最初は積み木などを机上に並べ、１音ずつ指さしながら構音するとメリハリがつくでしょう。
また単語リストなどを用いて、構音できた音に丸をつけていくと進捗状況がわかりモチベーションが上がるかもしれません。
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参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年
