さくらんぼ計算とは?
さくらんぼ計算とは、繰り上がりのある計算を教えるための方法です。
計算の中でまず10のまとまりを作ることで計算を簡略化していきます。
例として、「8+7」の場合で考えてみます。
さくらんぼ計算を用いると、以下のようになります。
8 + 7
/|
8+②+⑤
10+5=15
上記のように、任意の数を分解し、一旦10のまとまりを作ることで繰り上がりの計算を簡略化して考えていきます。
この数を一旦分解する過程の図がさくらんぼに似ていることから「さくらんぼ計算」と呼ばれます。
解説
さくらんぼ計算のメリット
さくらんぼ計算のメリットは、算数の基礎となる「数の三項関係」を学べる点です。
数の三項関係とは、その数字の「量」と「字」と「読み」の関係のことです。
つまり「3」という数字は量は「●●●」であり、字は「3」と書き、読みは「サン」となっている。
これらの関係性をきちんと理解していることが、数の三項関係が確立していると言えます。
計算が苦手な子は、背景として数の三項関係の確立が不十分であるケースが多いです。
つまり「3」が「サン」であることはわかっても、「3」が「2」と「1」で成り立っていることを感覚的にパッとわからないとういことです。
さくらんぼ計算はその計算過程から数字と量の結びつきを意識せざるをえない方法であり、数の三項関係を学ぶことに役立ちます。
もちろん、3+1のような簡易な計算であれば指を使って足していくようないわゆる「数え足し」でも対応はできるでしょう。
しかしより複雑な計算、繰り上がりを含む計算では限界があります。
さくらんぼ計算は算数の長期的な理解に必要な数学的概念を学ぶことができます。
さくらんぼ計算のデメリット・批判
多くの学習方法に共通することですが、
さくらんぼ計算は「すでにわかっている子」にとってはやや面倒な方法です。
計算は10のまとまりにするなど簡略化したほうがやりやすいことを感覚的にすでにわかっている子にとって、さくらんぼ計算の「わざわざ」書いている感じは否めません。
どの学習方法もそうですが、1つのやり方に固執せずその子の理解度・考え方に合った方法を行うことが望ましいです。
参考資料
『小学1年生における計算学習の現状と課題 : 1年生の算数指導に関わった経験のある教員への質問紙調査と1年生への調査を通して』(植草学園短期大学)2022年6月3日検索