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年少さんの算数の目標
保育園や幼稚園における年少さんは、4歳前後の時期に相当します。
4歳の時期における算数の学習は、3~5個の数の理解を目指します。
また、物を数えるときに指と声がきちんと合っているかも重要です。
発達の解説
幼児期は計算をするというよりは、その基礎となる数概念の発達と習得が大切な時期になります。
子供の発達を見る検査である
認知・言語促進プログラム(NCプログラム)
遠城寺式乳幼児分析的発達検査
津守式乳幼児精神発達質問紙
などを参考にすると、
4歳前後の時期は「〇〇個ちょうだい」といった個数の指定を理解しはじめる時期であることがわかります。
以下、年少さんの頃に身につけたい数概念を挙げていきます。
具体的な項目
物を均等に配る
例えば4人にフォークとスプーンを1本ずつ配る。
物を均等に「分配」する力は子供達の算数の入り口です。
3~4人に物を1つずつ均等に配れることを目指します。
学習で行うよりは、日常のお手伝いなどで導入しやすいでしょう。
3までの数の概念
例えば机の上におはじきが複数あって、大人が「3個取って」というと3個取れるという状態です。
「1個取って」「2個取って」など、1~3個のどの数にも対応できるように目指します。
ポイントは、全体の数を3個よりも多くしておくことです。
全体が3個しかないと、「3個取って」のときに数えなくても全部取れば正解してしまいます。
数の学習では指定の数より母数を多くしておくことは基本になります。
5までの数の概念
やりかたは3までの数の概念と同様です。
1~5までの数を扱えるよう目指していきます。
いきなり5までの数を練習するのではなく、3までの数ができてから5までの数に範囲を広げたほうがいいでしょう。
何事も一歩ずつ、無理なく理解できる範囲からが望ましいです。
数を言いながら指を動かす
「1,2,3,4・・・」と声に出して物を数えながら、指をさしていきます。
声と指のタイミングが合っているかは、子供の算数の理解における大事な指標の1つです。
子供達の中には「1,2,3、」と口で言いながらも、指は先に動いてどんどんずれていく子がいます。
これでは全部で何個あるかの判断がずれてしまいます。
数を言うことつまり「数唱」と、「指さし」は一対一の対応です。
数唱と指さしを一対一対応できるようになることは幼児期の算数の学習の基礎であり重要なポイントです。
補足記事
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧