サリーとアン課題とは?
サリーとアン課題とは、他者の心を推し量る能力である「心の理論」を見るための課題です。
サリーとアンの話を通して、その人が他者の状況を推測できるかを見ます。
サリーとアン課題の内容
サリーとアン課題の内容は以下のようになっています。
サリーとアンが部屋で遊んでいます。
サリーはボールをカゴの中に入れて部屋を出ました。
サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
サリーが戻ってきてボールを探すとき、どこを探すでしょう?
答えは「カゴを探す」になります。
サリーとアン課題の解説
サリーとアン課題で重要なのは、「ボールが欲しいサリーはどこを探すべきか」ではなく、「サリーがどう考えるか」ということを推し量ることです。
サリーとアン課題においてサリーは、アンがボールを移したことを知りません。
問題を俯瞰して聞いた私達からすれば、カゴの中を探してもボールがないことは明らかです。
しかしサリーがカゴの中を探すのは決して不自然なことでないことも理解できます。
なぜなら私達はボールがかごにないことを知っていますが、サリーはそのことを知らないとわかるからです。
おわりに
サリーの状況からすればカゴの中を探すのは当然ですが、ボールを見つけるということに関してはサリーは誤ったということになります。
他人から見れば誤りでも、その人の状況からすればそう行動するのは当然といったシチュエーションがあります。
つまり人は状況によって間違ったことを信じることもあるということです。
このようにサリーとアン課題をはじめとする心の理論を見る課題を誤信念課題と言います。
参考資料
『嘘を求められる場面での幼児の反応 : 誤信念課題との比較から』(日本発達心理学会 J-STAGE)2020年9月7日検索
『自閉症児への「心の理論」指導研究に関する行動分析学的検討』( 心理学評論刊行会 J-STAGE)2020年9月7日検索