【目次】 [close]
サリーとアンの課題は何歳から?
サリーとアンの課題に正答できるのはおよそ4歳前後と考えられています。
サリーとアンの課題は心の理論における誤信念課題の典型例であり、細かくは一次的誤信念課題に分類されます。
解説
サリーとアンの課題の内容
サリーとアンが部屋で遊んでいます。
サリーはボールをカゴの中に入れて部屋を出ました。
サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
サリーが戻ってきてボールを探すとき、どこを探すでしょう?
(答え:カゴを探す)
サリーとアンの課題は研究者によって登場人物の名前が異なったり、おもちゃがボールではなく人形であったりしますが、内容はおおむね上記のようなものです。
このような問題を通して「○○さんは△△と思っている」という自分ではなく相手の視点に立った考えを問われます。
サリーとアンの課題は何歳向けか
京都大学文学研究科を中心とした心理学評論の論文によると、3~5歳児の85%がサリーとアンの課題を正答したそうです。
このように、サリーとアンの課題に代表される一次的誤信念課題は、およそ4歳前後が理解の時期と考えられます。
発達障害との関係
自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供は定型発達の子供と比べると誤信念課題を苦手とする傾向があるようです。
ただしこれには個人差がありますし、発達障害児のコミュニケーションの苦手さは、心の理論だけで説明することはできないと考えるのが現在多数派です。
また、上記の通りサリーとアンの課題をはじめ誤信念課題は大人が見ても文章が少しややこしい問題です。
サリーとアンの課題を正答できない場合、それがコミュニケーションの発達が関わっているのか言語発達が関わっているのかは専門家の見極めが必要でしょう。
一次的誤信念課題とは?
二次的誤信念課題とは?
参考資料
『嘘を求められる場面での幼児の反応 : 誤信念課題との比較から』(日本発達心理学会 J-STAGE)2020年9月7日検索
『自閉症児への「心の理論」指導研究に関する行動分析学的検討』( 心理学評論刊行会 J-STAGE)2020年9月7日検索