【目次】 [close]
サリーとアンの課題の類似問題
サリーとアンの課題に類似した問題としては、スマーティ課題やマクシ課題などがあります。
いずれも心の理論における標準誤信念課題(一次的誤信念課題)に分類されます。
一次的誤信念課題の解説
誤信念とは?
誤信念とは文字通り誤った信念を指します。
心の理論における「誤信念の理解」とは、「相手が自分と違う情報を持っていた場合、自分とは違う判断をするということを想定できるか」ということです。
たとえ自分が正しい情報を知っていたとしても、相手がその情報を知らなければ相手は間違った行動をするかもしれません。
このとき、自分が正しい情報を知っているからといって相手も同じように行動すると考えては、行動予測に誤りが生じるでしょう。
誤信念の理解とは相手の視点に立てるかどうかの力とも言えます。
一次的誤信念課題とは?
一次的誤信念課題は「○○は△△と思っている」という構造を持った問題です。
サリーとアンの課題の場合、
サリーとアンが部屋で遊んでいます。
サリーはボールをカゴの中に入れて部屋を出ました。
サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
サリーが戻ってきてボールを探すとき、どこを探すでしょう?
という内容ですので、「サリーはボールがカゴの中に入っていると思っている」ということを理解できるかが問題を解くカギとなります。
以上を踏まえ、サリーとアンの課題の類似問題、つまり「○○は△△と思っている」という構造を持った問題の例を挙げていきます。
代表的な一次的誤信念課題
スマーティ課題
マクシ課題
オリジナルの一次的誤信念課題
ポッキーテスト
戸棚のクッキーテスト
姉はどこにいる?テスト
参考資料
『児童期における再帰的な心的状態の理解』(日本教育心理学会)2020年10月2日検索
『心の理論の生涯発達における実行機能の役割』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『嘘を求められる場面での幼児の反応 : 誤信念課題との比較から』(日本発達心理学会 J-STAGE)2020年9月7日検索
『自閉症児への「心の理論」指導研究に関する行動分析学的検討』( 心理学評論刊行会 J-STAGE)2020年9月7日検索