スキャン方式は走査(そうさ)とも言われます。
障害者のIT支援、特に重度身体障害者の方に対して使うことが多い手法です。
重度の脳性麻痺や、ALSなどの神経難病がこれにあたります。
重い身体障害により体が動かせない。
(ほぼ寝たきりの状態)ではあるが、スイッチを押す、瞬きができるなどわずかながらコントロールできる身体動作があるときにスキャン方式は役立ちます。
パソコン画面上で選択肢が自動で提示され、操作者は自分が選択したいもののタイミングでスイッチを押して操作します。
スイッチが1つでもパソコンなどを操作できるのでIT支援によく取り入れられます。
言葉だけではイメージしにくいので、図を合わせて説明します。
たとえば、スキャン方式により文字を入力します。
このように、まず50音表の行ごとに文字の色が変わっていきます。
自分が打ちたい文字の行にきたらスイッチを押します。
今度はその行のどの文字を打ちたいのかスキャンされます。
打ちたい文字がきたらスイッチを押します。
文字を入力後また1枚目の図に戻り、これを繰り返し文章を作っていきます。
スキャン方式の長所はスイッチを1つ押すという少ない身体動作でも多様な操作ができる点です。
一方、操作に時間がかかるなどといった短所があります。
何秒ごとに文字の色が変わるか(=スキャン速度)や、50音表の配置を工夫するなど効率の良い操作方法にすることが短所を軽減しましょう。
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