スクリプト(script)とは一般的には台本や原稿といった意味の英単語です。
発達障害においては日常のルーティーンをわかりやすくするための対策としてしばしば使われます。
私達の生活は様々なルーティンで成り立っています。
例えばマクドナルドとファミレスでは料理の注文や会計の流れが異なります。
マクドナルドではレジで即座に食べる物を決めて先に会計をしないといけません。
ファミレスでは席に座ったあとにメニューを見ながら料理を決め、会計は食事のあと。
こういった流れはお店ごとに異なりますが、毎回毎回店員さんから説明を受けるわけではありません。
みんな習慣として知っていて、その場その場に合わせて行動をとっています。
はじめて高級レストランに行ったり、
はじめてセルフのガソリンスタンドでガソリンを入れたり。
初めての場所というのは何かと戸惑ったり緊張したりします。
初めての場所に戸惑うのは、そこでどのようにふるまっていいかわからないからです。
ルーティンがわからないのです。
勘の良い人はその場その場のふるまいを瞬時に察します。
自分がどのように行動すればいいかわかります。
発達障害の人の場合、場のルーティンを読むことが苦手なことがあります。
一般的には、マクドナルドのルーティンがわかればモスバーガーでのルーティンは予想がつきます。
でもルーティンを読むとることが苦手な人の場合は、
マクドナルドに行っていてもモスバーガーが初めてだとモスバーガーのルーティンがわからず戸惑います。
ルーティンを読みとることが苦手な人に、「場を見て自分でよく考えろ!」と言っても何も解決しません。
それは理にかなっていない根性論と一緒です。
ルーティンの読み取りが苦手な人の対策として、スクリプトを用意するというものがあります。
要するにすべきことや場の流れを台本のようにまとめるのです。
例えばマクドナルドの例であれば、
☑店内に入る
☑レジより少し遠いところから自分が食べたいものを決める
☑レジに並ぶ
☑順番がきたら注文する
☑会計をする
☑商品を受け取る
☑空いている席に着く
といった具合です。
このように視覚化、あるいは流れを明確にしていきます。
スクリプトは発達障害児者のSST(ソーシャルスキルトレーニング)の一環として用いられます。
しかしスクリプトは一般の人が物事に取り組む際の仕事術としても役立つ手法でしょう。
関連記事:発達障害者のための電話対応マナー ~電話をかけるとき~