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場面緘黙へのアプローチ・訓練
場面緘黙児へのアプローチ・治療方法の一例としては、「刺激フェイディング法」などの行動療法が挙がります。
場面緘黙児への行動療法は早期(幼い頃から早めに)・高頻度で行うことが望ましいとされます。
解説
場面緘黙の治療方法
場面緘黙の治療方法は完全には確立されていないものの、大きくは行動療法・認知行動療法・臨床動作法・薬物療法などがあります。
これらは状況に合わせて併用することもあります。
また、場面緘黙は家庭や学校、専門機関など多領域の連携が重要となります。
場面緘黙の治療仮説
行動療法的に考えると、場面緘黙は回避行動が習慣化してしまった状態と考えられます。
コミュニケーションが困難な場面で直感的に取ってしまった「話さないでいる」という回避行動。
この回避行動によって一時的に不安が減少するため緘黙症状が維持されやすく、回避行動が習慣化していってしまいます。
回避行動が習慣化するとコミュニケーションの機会が減り、社交スキルの発達の機会が減ってしまいます。
また周囲も話さないでいる子に対しては話しかけることが減ってしまいがちです。
このため回避行動が習慣化すればするほど周囲の働きかけも減少してしまいます。
こうして子供の社交不安はさらに高まりコミュニケーションに対するハードルが高くなるという悪循環に陥ってしまいます。
場面緘黙児への対応としては、このような行動習慣を改善していくことがポイントになっていきます。
合併症への配慮
場面緘黙児の支援・治療に際して、発達障害が合併している場合はその配慮も重要です。
保護者への問診では「家では普通に話す」という情報であっても、実際に録画などで家庭場面を専門家が見てみるとそもそもの言葉の苦手さを呈している場合もあります。
自閉症スペクトラム障害など合併する発達障害の有無を把握することは、治療において重要な手順と言えるでしょう。
刺激フェイディング法とは?
場面緘黙の解説
参考資料
『場面緘黙(選択性緘黙)の多様性—その臨床と教育—』(日本不安症学会)2023年7月22日閲覧