医療・福祉・療育コラム

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感度・特異度・陽性的中率(PPV)・陰性的中率(NPV)とは?

公開日:2022年8月12日


 
 

感度・特異度・PPV・NPVとは?

 「感度」とは、
 疾患のある人達だけの集団において、実際に検査が陽性と反応する確率です。

 「特異度」とは、
 疾患のない人達だけの集団において、実際に検査が陰性となる確率です。

 「陽性的中率(PPV)」とは、
 疾患のある人ない人両方を含む集団の中で、その検査が疾患を見つけることができる確率です。

 「陰性的中率(NPV)」とは、
 疾患のある人ない人両方を含む集団の中で、その検査が陰性の人を見つけることができる確率です。

 
 
 

解説

陽性・陰性判定の質

 100%疾患の有無を当てることができる検査があれば望ましいですが、実際はそうともいきません。

 どのような検査も少なからず誤差・誤りがあります。

 このためどのくらいその検査の精度が優れているかを比較・検証する必要があります。

 そのようなとき役立つのが感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率といった要素です。(実際はこれに有病率などさらに複数の要素が必要ですが)

 
 

陽性と陰性を分けて考える

 感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率を考える前段階として、

 検査の精度を考える上で陽性と陰性の精度を分けて考えることは大切です。

 例えばある病気について、陽性者が受ければ100%陽性と判定される検査を作ることは非常に簡単です。
 受けた人全員が「陽性」と判定される検査を作ればいいからです。
 もちろん、これでは陰性の人も全員陽性と判定してしまうため、現場ではまったく使い物になりません。

 上記の例は極論、屁理屈に聞こえるかもしれませんが、大切な視点です。

 精度の高い検査とは、陽性者をきちんと見つけることができると同時に、陰性者をきちんと陰性と判断できることが必要です。

 そして感度と陽性的中率は陽性に関する要素です。

 特異度と陰性的中率は陰性に関する要素です。

 ただし計算方法やその意味としては、「感度と特異度」、「陽性的中率と陰性的中率」とセットで考えるとわかりやすいです。

 以下、感度と特異度、陽性的中率と陰性的中率をそれぞれ見ていきます。

 
 

感度・特異度とは?

 
 

陽性的中率・陰性的中率とは?

 
 
 

参考資料

『臨床検査の偽陽性と偽陰性について』(日本臨床検査医学会)2022年7月23日閲覧

『陽性的中率や陰性的中率とはどんな計算?有病率や感度特異度との違いをわかりやすく』(いちばんやさしい、医療統計)2022年7月23日閲覧

『感度と特異度の計算方法をわかりやすく!分割表からの求め方を解説!』(いちばんやさしい、医療統計)2022年7月23日閲覧

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