心理学

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締め切りは数回に分けたほうが効果的|心理学・行動経済学

公開日:2023年4月30日


 
 

締め切りは数回に分けたほうが効果的

 目標を達成したり、うっかりのミスを防ぐためには、締め切りを小分けにするのが効果的です。

 1回に大きな締め切りがあるよりも、その途中経過に小さい目標を締め切りをあらかじめ設定しておきます。

 
 
 

解説

小さい締め切りを設ける

 ずっと先に大きな締め切りは1つあるよりも、近々に小さな締め切りは複数あるほうが目標達成には効果的と考えられます。

 人はついつい目先の忙しさや欲望に心を奪われがちです。
 ずっと先にある大きな締め切りは、重要ですが毎日の中ではかすんでしまいます。
 「あとで」「また今度」「時間があったら」と先延ばしにしてしまいます。
 それなのに、大きな締め切りは守れなかったときのリスクも大きいです。

 作業内容を分割し、小さな締め切りを近々に設定しておけば注意が向きます。
 小さな作業内容なので取り組みやすさもあります。

 例えば夏休みの宿題は「最終日までに終わらせる」という「ずっと先の大きな締め切り」のままにしないようにします。

 「今週は○○のプリントを済ませる」「来週は問題集を半分終わらせる」など締め切りを分割することで、負担が小さく先延ばしを回避しながら取り組むことができるでしょう。

 
 

注意を促す機会を小分けにする

 締め切りと類似して、自分が気をつけることの通知を分割するのも有意義です。

 例えば1万円のお金が財布の中にあって、これを1か月の間に娯楽に使うとします。
 「1か月で1万円」とざっくり考えるとペース配分に迷ってしまいます。

 このため例えば「1週間で使うのは2千円と前の週の余った分だけ」としてみます。
 1週間で2千円が自分にとっての「通知」となるわけです。
 こうすることで自分の消費のペースが具体的に速いのか遅いのかがわかりやすくなります。

 
 
 

参考資料

センディル・ ムッライナタン、エルダー・ シャフィール『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』早川書房、2015年 p222

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