障害者施設

障害者施設で働く理由といいところ・やりがい

公開日:2020年4月21日


 
 

障害者施設で働くということ

何かとたいへんそうなイメージがある「障害者施設」という職場。

当事者でなければ施設を目にする機会も少なく、
その漠然としたクローズな環境イメージも、
「たいへんそう」という印象につながっているのかもしれません。

しかし考え方によっては、
「障害者施設職員」というのも職業選択として悪い選択ではありません。

障害者施設で働くメリットはいろいろありますが、

その1つに、
障害者施設で働くということは、
基本的に、人から感謝をされる仕事である

という点があります。

 
 
 

障害者施設で働くことのやりがい

医療・福祉関係の仕事全般に言えることですが、

障害者施設で働くということは
基本的には人から感謝をされる仕事をするということです。

人が長期的に働く上で、
この「人から感謝される」という観点は非常に大切です。

なぜなら世間の多くの仕事は、
店員さんがお客さんに感謝をする仕事だからです。

例えば飲食店や、物の販売を行うお店の場合。

お客さんがお店を出るとき、
店員さんがお客さんに「ありがとうございました」と言います。

このように、
世の中の多くの仕事は、
お金をもらうために人に頭を下げ、
店員さんがお客さんに感謝をします。

これは言い方を変えれば、
お客さんに「これ(物やサービス)いかがですか?」
とへりくだって物を売り込む仕事だということです。

しかし障害者施設という環境では、
多くの場合、
本人やその家族から「ありがとうございます」と言われます。

この「人から感謝される仕事であるかどうか」というのは、
短期的には意義を感じにくいものです。

仕事においてはやはり
給料とか、
楽か大変かとか、
華やかかどうか
といったことを気にしてしまいます。

しかし、

人生において「働く」ということを長く行えば行うほど、
「人に感謝される」ということがどれだけ自分の心を保たせてくれるかがわかります。

仕事はどんな仕事でも、時として「自分がやりたくないこと」もしないといけないときがあります。

そういうときに、
「これは正直やりたくないけれど、お客さんは求めていて、感謝してくれる」というのは大きな支えです。

こういうときに、
例えば物を売り込むような仕事の場合、
「自分もやりたくない。お客さんも別に求めていない。私は一体何をしてるんだろう」という悩みで心がすり減ります。

人は元気なときもあれば、落ち込むこともあります。

そういうとき、心の拠り所があるような仕事が、人生においては長く続けることができます。

障害者施設で働くということは楽なことではないかもしれませんが、
最後の最後で「人に・社会に必要とされている仕事なんだ」というところで心を保つことができます。

 
 
 

障害者施設の実際

障害者施設で利用者さんに暴言を言われたりしたというのはよくある話ですね。

どんな仕事でも、クレーマーのようにスタッフを困らせる人は一定数います。

その一方で、素直にスタッフに感謝してくれる人も必ずいます。

スタッフに理解のない保護者さんもいれば、
スタッフに「お世話になっています」と菓子折りを持ってきてくれるような謙虚な保護者さんもいます。

また、「すみません」と頭を下げる保護者さんもいます。

知的障害の利用者さんが、自分をコントロールできずスタッフに暴言を言ってしまう。

そのことを知って、
保護者さんは自分が言ったわけではないけれど本人に代わって「すみません」と頭を下げる。

誰もが選んで障害を持つわけではありません。
しかしその障害により、場合によって人は理不尽な状況に直面することもあります。

そういう場面を目の当たりにすることで、
人は人に優しくありたいと思うことが多いです。

もちろん世の中にはいろいろな人がいます。
障害者施設職員にもいろいろな人がいます。

しかし、
障害者施設では人の弱い部分を見たり感じたりして、人に優しい人が多い気もします。

 
 
 

おわりに

人は誰しもハツラツとしているときもあれば、
悩んで塞ぎ込んでしまうときもあります。

仕事をバリバリこなす時期もあれば、
家族ができて仕事よりも家族を優先したいときもあります。

人は誰しも強気でいられるときと、
弱気になってしまうときがあります。

人生は、強い自分と弱い自分が寄せては返す波のように繰り返されるものです。

そして往々にして、
人は仕事を「強い自分」を想定して選んでしまうものです。

けれど人生、そういう自分ばかりではありません。

悩んだり、仕事が手につかなくなったりすることもあります。

けれどお金を稼がなければ生活できませんから、
多くの人は仕事に行きます。

そういうとき、

ただ人に頭を下げる仕事というのはなかなかきついものです。

ただただ売り上げを上げないとといけない仕事というのはなかなかきついものです。

一方で、

少しでも人から感謝されると、少し心が晴れるかもしれません。

少しでも社会にとって必要な仕事をしていると思えると、自分の心が回復するまで仕事に耐えることができるかもしれません。

そういう見方をすると、
障害者施設という職場で働くことも1つの選択肢なのではないでしょうか。

 
 
 

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