障害者施設で働くことのストレス
仕事には大なり小なりストレスはあるものです。
障害者施設での仕事においてたいへんなこと・ストレスでよくあるのはいわゆる3Kですね。
要するに
「きつい(多忙と重労働)」
「きたない(不衛生な業務)」
「きけん(危険を伴う業務)」
ですね。
ただこの3Kはほかの業種でも該当するものはしますし、
障害者施設特有のものかといえば微妙です。
もっと言うと3Kは働く障害者施設でも差があって、
どこも3Kかといえば一概にも言えません。
障害者施設で働く場合のストレスで、
他の仕事にはない特殊なものの1つとしては、
利用者とのコミュニケーションが噛み合わない・とれない
という点があるのではないでしょうか。
仕事において
コミュニケーションをとらないといけない人と
コミュニケーションがとれないということは、
なかなかのストレスを与えます。
仕事の上での人間関係・コミュニケーション
仕事をする上で、人間関係やコミュニケーションは大切です。
仕事自体は嫌いじゃなくても、
人間関係を苦に仕事をやめたというのはよく聞く話ですね。
職場での人間関係とは大きく2つあります。
1つはスタッフとの人間関係。
もう1つはお客さんとの人間関係。
障害者施設におけるお客さんとは障害を持った利用者さんですね。
一般的な仕事の場合は、
スタッフやお客さんと
相互的なコミュニケーションが可能です。
もちろんクレーマーや気が合わない人もいるかもしれませんが、全体として見れば互いの意図を汲み取った相互的なやりとりを日々行えます。
しかし障害者施設においては、
会話がうまく噛み合わない、
あるいはまったく会話が難しい人と
日々コミュニケーションをとることになります。
人によっては、
会話のレベルのようなものの違いを感じる人もいるかもしれません。
いずれにせよ、
そういったコミュニケーションのズレというものは、人に孤独感を感じさせます。
障害者とのコミュニケーション
障害状況によって様々ですが、
障害者施設に利用者さんには
コミュニケーションが難しい、
全く会話が難しい
という人も少なくありません。
そういった利用者さんに対して、
職員側が全くコミュニケーションをとらないというわけにはもちろんいきません。
職員は自分なりに利用者さんに声かけや会話を行うことになります。
しかしそれで言葉のキャッチボールができるかと言えばそういうわけでもないわけです。
どんなに声をかけても反応のない人もいます。
どんな言葉を語りかけても、同じことしか言わない・同じ要求しかしない人もいます。
何回同じことを言っても、相手が理解してくれないのは日常茶飯事です。
そういった状況が何時間も毎日続くのは、人の精神に意外と負荷をかけるものです。
相互的でないコミュニケーションを、
てきとうにやり過ごせる人というのは意外と少ないものです。
誰しもが相手の言葉の意味や意図を考えてしまうし、
自分の言葉は相手に届いて欲しいと無意識に思います。
そしてそれが難しいということは、
思った以上にストレスなのです。
おわりに
例えばお客さんとのちょっとした雑談やコミュニケーションが、仕事を楽に感じさせてくれることがあります。
人は人と共感したり、
意思を汲み取りあったりすることで
楽になることがあります。
障害者施設で働くと、
利用者さんと相互的で対等なコミュニケーションが難しい場合があります。
職員が言っていることを理解し行動することが難しい利用者さんもいるでしょう。
そういうときに、
じゃあ職員が利用者さんを無視していいかというともちろんそれはできません。
職員は心のどこかで
「これは言っても利用者さんには届かないんだろうな」
という言葉を日々言わないといけない状況に置かれます。
この一方的なコミュニケーションをとらないといけないことは、
障害者施設で働くことのストレスの1つではないでしょうか。