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「質が高くない遊び」とは?
「質が高くない遊び」とは、「質が高い遊び」の対極にある遊びです。
「質が高くない遊び」の目安としては、相互性がなく一方的で、継続性や発展性に乏しいただ消費するような遊びを指します。
質が高い遊びが実行機能や非認知能力の向上を期待できる一方で、質が高くない遊びはこういった子供の成長を促す性質が乏しいと考えられます。
質が高くない遊びの特徴
日本保育学会の資料を参考にすると、質が高くない遊びは例えば以下のような特徴が考えられます。
- 協調性の弱さ
- 大人が一方的
- まんねりしている
- 安直(食い散らかされたような遊び)
- 保育者の関りのまずさがある
- 持続しない、継続しない
- 不十分な時間や空間
質が高くない遊びの例
切り替えができない単調な戦いごっこ
切り替えができず、ただダラダラと続く戦いごっこは(そこに発展性がなければ)質が高い遊びとは言い難いでしょう。
ただし、戦いごっこは大人の工夫次第で相互性や見立て遊びが向上する可能性も十分ありますので、子供がどのような文脈で戦いごっこを行っているかよく観察することは重要でしょう。
おもちゃがたくさんあるだけ
たくさんのおもちゃがあって、子供が一時的に遊びますが持続せず片付けもされないまま放置。
こういった状況も質が高くない遊びの状況と言えるでしょう。
どんな物を与えても、与えられただけの物では持続性や発展性は乏しいです。
おもちゃや教具についても人とのやりとりや想像力を刺激する経験・はたらきかけ・工夫が大切になっていきます。
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『幼児期の非認知能力と実行機能の関連における研究の現状と課題』(北海道教育大学学術リポジトリ)2022年12月25日閲覧
『質の高い遊びとは何か?』(一般社団法人 日本保育学会)2022年12月25日閲覧
『新しい学習指導要領等が目指す姿(教育課程企画特別部会 論点整理)』(文部科学省)2022年12月25日閲覧
『幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会(第2回)配付資料 第1回会議の主な意見等の整理』(文部科学省)2022年12月25日閲覧