療育と親の後悔
子育てに関して「後悔」はしたくないものですが、「どうやったら後悔しないか」は個人の価値観にもよるので難しい問題です。
子供の発達、特に子供の発達が遅れていた場合に保護者を悩ませるのが「療育」という選択肢です。
療育を行うべきか否か、行うならいつからがいいか。
答えは1つではありませんが、その判断材料を考えていきます。
解説
療育を受けるべきか否か
療育を受けるべきか否かは医師など専門家の判断と保護者の意向が関わります。
このため療育を受ける一律の基準のようなものはありません。
しかしながら傾向として、幼児期であれば発達が実年齢より1年以上遅れていると療育の対象になりがちです。
また、1年以内の発達の遅れであっても、保育園や家庭などでその子や親が著しく困っていれば療育の対象になる場合もあります。
早期療育とは?
早期療育とはおおむね2~3歳頃など比較的早期から療育を開始することを言います。
ただし早期療育の時期にはっきりした定義はないので、年齢はあくまで目安です。
もっとざっくりと幼児期から行う療育を早期療育と捉えることもあります。
昨今の療育界隈では早期療育の必要性が言われています。
早期療育には子供のコミュニケーション能力の向上や親の育児ストレス軽減が期待されています。
療育をしないで後悔するケース
我が子の発達を直視するのは親にとって勇気がいることです。
「上の子も遅かったから」「個人差の範囲だと思う」
そういう判断の下で療育に至らないケースもあります。
また幼児期後半になると、言葉が遅れていてもある程度は言葉が出ているためその「遅れ」に気づかないケースがあります。
なんでもそうですが、学習は積み重ねが大事であり、先延ばしにすればするほど後から同じ効果を得ようとすると労力がかかります。
療育をして後悔するケース
療育はスタッフと対面で行う、ある意味でクローズな世界です。
そのためスタッフの当たり外れが多少なりともあるのが正直なところです。
知識不足のスタッフや、心無い言葉を言うスタッフに当たったら、切り替えて別の療育スタッフとつながりをもつ「セカンドオピニオン」の姿勢は大切でしょう。
一人の療育スタッフで療育全体の良い・悪いを決めてしまわないように気をつけましょう。
参考資料
『障害児に対する早期療育及び教育』(内閣府)2021年9月8日検索
『ライフステージに応じた自閉症スペクトラム者に対する支援のための手引き』(国立精神・神経医療研究センター)2021年9月8日検索
『就学前早期の自閉症児への療育介入は、社会予後を改善させる可能性』(国立成育医療研究センター)2021年9月8日検索
『ノーマライゼーション 障害者の福祉』(障害保険福祉研究情報システム)2021年9月8日検索
『自閉症スペクトラム障害の早期発見のポイント』(国立精神・神経医療研究センター)2021年9月8日検索