「ソーシャル・ストーリー・ブック」レビュー
発達障害の支援技法の1つであるソーシャルストーリーに関する書籍である「ソーシャル・ストーリー・ブック」。
「ソーシャル・ストーリー・ブック」は読む本というよりは、文例を見ることができる「ドリル」に近い本ですね。
本書の意図としても自身で読んだ印象としても、
別冊である「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」が必須であり、それありきの本書ですね。
ソーシャル・ストーリー・ブック 入門・文例集[改訂版]とは?
発達障害の支援技法の1つであるソーシャルストーリー。
発達障害に伴い気づきにくい社会の暗黙のルールや社会技能を、工夫した伝え方で文章に起こす手法ですね。
ソーシャルストーリーの書き方は大きくはルールが10個あり、それらを解説した本が「お母さんと先生が書くソーシャルストーリー」です。
そしてこれらのルールを踏襲した例文を記載したのが本書「ソーシャル・ストーリー・ブック 入門・文例集[改訂版」です。
文字通りソーシャルストーリーブックは改訂版があるので、購入する際は改訂版がおすすめです。
1つのソーシャルストーリーが1~2ページに記載されていて、すっきりと読みやすい構成です。
本書にはソーシャルストーリーの文例が90例ほど記載され、ある意味で教科書的な内容になっています。
ソーシャル・ストーリー・ブックの活用
「ソーシャル・ストーリー・ブック」のソーシャルストーリーはあくまで文例です。
そのため
文例をそのまま使うことを本書は推奨していません。
あくまで文例を参考にその子の現状に合わせてアレンジしていくことが必要です。
また冒頭にも書いていますが、実際に読んだ感想としても、
文例は海外文化に沿っているので日本でそのまま使うには無理がある表現が多いですね。
例えば「『スノーエンジェル』の作り方」というのは文例に載せるほどメジャーな活動かと言えば疑問に残ったりします。
おわりに
実情に合わせてアレンジして使うことが推奨される「ソーシャル・ストーリー・ブック」。
しかしながら、
ソーシャルストーリーは作る側も読む側もいきなりは敷居が高いので、そのまま使えるかなと思う例文に関しては活用していくのもアリかなと思います。
参考資料