SST(ソーシャルスキルトレーニング)として声の大きさについて考えます。
人との会話では「適した声の大きさ」というものがあります。
大きければ良い、小さければ良いというわけではなくちょうど良い大きさがあるということです。
「ちょうど良い大きさ」は場面によって変わります。
「このくらいの大きさ」がどこでもいつでも常に通用するということはありません。
【声の段階を分ける】
自分の声の大きさを調整する際、段階分けするとイメージしやすいです。
例えば「大・中・小」の三段階。
「1・2・3・4・5」と数字でもいいかもしれません。
子供の場合は「ゾウさんの声・ネコさんの声・アリさんの声」などにするとイメージしやすいです。
【場面にあてはめる】
普通の会話は「中」、図書館では「小」、スポーツをしているときは「大」など自分の生活場面にあてはめます。
話している人と同じ大きさにするというのも一つの方法です。
【声は客観視のバロメーター】
自分の声の大きさに気をつけられるというのはそれだけ客観視できているということです。
自分の声の大きさが場面に合っているかで、どれだけ自分を客観的に見れているかの目安になります。
【声の目安表】
最後に場面ごとの声の大きさ目安表を作っておきます。
声の大きさ「大」
・スポーツの応援
・マイクのない場所での発表やプレゼンテーション(体育館など広い場所)
・広い公園で遠くの人を呼ぶとき
声の大きさ「中」
・電話での会話
・人との雑談
・会議や話し合いで自分の意見を言うとき
・買い物に行ったときのお店の人とのやりとり
声の大きさ「小」
・図書館での会話
・電車やバスの中での会話
・夜寝る直前の会話(布団に入り、電気を消している)
・近くで電話をしている人がいるとき
・内緒話、別の人に聞かれるとまずい話
・隣でテレビを観ている人がいるときに、別の人と会話をするとき
・近くに寝ている人がいるとき
このように、日常生活では大きい声を出すことは比較的少ないです。
そして小さい声を出すときというのは中や大の大きさでは他人が迷惑するかもしれないときです。
【声の大きさの使い分けが苦手な方は】
声の大きさの使い分けが苦手な方は
周りの人と同じ声の大きさでしゃべるという方法があります。
これは周りの人がソーシャルスキルがあることが前提ですが。
周りの人と同じ声にするのは
自分で声の大きさを考えなくていいので楽ですし無難です。
状況に合わせて声の大きさを判断することが苦手な場合はまず人の真似をすることから始めてみましょう。
ちなみに人は誰でも間違いますし、
ずっと真似ばかりしていても判断力は養えないので、
相手の声の大きさを真似る場合は、自分で判断できるようになるための前段階の練習として捉えましょう。
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