ソーシャルスキルトレーニングとは文字通りソーシャルなスキルに関するトレーニングです。
Social Skills Trainingの頭文字をとり、SST(エスエスティー)と言われることもあります。
SSTにおける、ソーシャルなスキルとはなんでしょう?
ソーシャルスキルは日本語で社会技能と訳されます。
ソーシャルスキルは社会の中で人と関わる上で必要なスキルのことを言います。
ソーシャルスキルは具体的には以下の3つの技能で成り立ちます。
・場の雰囲気が読みとれる
・自分の言動を他者がどう受け取るか想像できる
・自分の考えを相手にうまく伝えることができる
これら3点を踏まえた言動が社会技能を持った言動と言えます。
具体的にソーシャルスキルを身につけるためにはどのような能力が必要でしょう?
ソーシャルスキルは以下のスキルで支えられます。
・意思決定能力
・問題解決能力
・豊かな想像力
・適切に批判・質問できる力
・適切な自己開示
・傾聴
・自己認知
・共感性
・情動対処
・ストレスへの対処
ソーシャルスキルの学び方は多様です。
日々の中で気づく場合のあるでしょうし、ネットや本を読むことで知る場合もあります。
そしてソーシャルスキルトレーニングの最も一般的な方法がロールプレイングです。
一般的なソーシャルスキルトレーニングの場合、
1.場面設定
2.ロールプレイ
3.気づきの確認
4.実生活でやってみる
といった流れで学習していきます。
ひとつのSSTでもその人が学ぶべきことを一度に詰め込みすぎてはいけません。
例えば「あいさつをしよう」というSSTの場合、
・「おはよう」「こんにちは」など時間帯で異なる
・敬語の有無
・声は大きすぎても小さすぎてもダメ
・相手が急いでいるときは立ち止まらせない
など「あいさつ」ひとつとってもいろいろなポイントがあります。
しかしこれらを一度に全部求めてはいけません。
これらを瞬時に把握して同時にできる人ならそもそもSSTは必要ありません。
一つずつ、その人が取り組みやすいことから行っていきます。
SSTはその人にとってポジティブな学びの時間となるよう心がけましょう。
「あれはダメ」「だからダメ」の否定の繰り返しではストレスになるだけです。
型にはめたり個性を潰すことと、SSTは違います。
SSTはあくまで社会生活のテクニックの学習でありその人の人格を否定することではありません。
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