子供のおもちゃを小児発達学の側面からレビュー&解説します。
「スタディ将棋」のレビュー
おもちゃは
- 興味性(子供が夢中になれるかどうか)
- 知育性(遊ぶことで子供の成長や発達を促せるか)
- アクセス(購入しやすい、片付けやすい、壊れにくいなど)
- クオリティ(凝った作りや新しい試みなどおもちゃ自身のクオリティ)
といった点が評価のポイントになるのかなと思います。
「スタディ将棋」は「知育性」は非常に高いですが、子供が興味を持てるかは親の工夫次第でしょう。
一般に、子供が将棋をする上で親が期待するのは「楽しんでほしい」以外にも、
「先を見通して駒を動かすことで戦略性や計画性を身につけてほしい」
といったころではないでしょうか。
しかしながら、
子供が将棋で計画性を意識するのはある程度ルールに習熟してからなので、それまでに挫折しないように大人がどうプレゼンできるかが重要になってきます。
「スタディ将棋」とは?
子供から大人まで幅広く楽しめ、ゲーム性も非常に高い「将棋」。
将棋はルールを覚えれば一生遊べる遊びですね。
そんな素敵なゲームである将棋ですが、将棋の難点は駒の動きの複雑さ。
本来、将棋のおもしろみは戦術を組み立てる部分にあるはずですが、その前段階である「それぞれの駒の動きを覚える」という段階が大人でも面倒で挫折しやすいです。
「スタディ将棋」は各駒にそれぞれの動き方が矢印でわかりやすく書いています。
「スタディ将棋」は面倒な駒の動きを覚えずに将棋の戦略性やおもしろみを体験できるおもちゃです。
「スタディ将棋」を小児発達学的に考察
個人差はありますが、
子供はおおむね6歳頃になってくるとトランプなどややルールが複雑なゲーム性のある遊びができるようになってきます。
「スタディ将棋」の対象年齢は「5歳以上」ということで、妥当かもう少し上かなという印象。
というのも、何をもって「将棋ができる」ととるかでその意味合いが変わるからです。
例えば単に駒を動かすだけなら5歳前後で充分可能でしょう。
一方で、「王手!」と相手の駒を戦略的に追い詰めるにはそれなりの理解度と慣れが必要でしょう。
子供と将棋を行う場合は、
まずは駒にはそれぞれ動き方があって、その動きに合わせて駒を動かすということを覚えます。
続いて、
相手の駒を取ろうとする。
あるいは、相手に取られないように、駒が取られそうなときは逃げるという発想ができるようにします。
これは一手先を読む練習。
これができてはじめて、
「王手、あるいは詰みにできるように戦略を立てる」ということが成立します。
つまり二手・三手先を読むということですね。
まとめ
おもちゃは自由に遊んでいいものです。
ましてや、「これはこの子の教育に良いか」なんて親が考えて与えても子供にとっては窮屈なものです。
子供自身の興味を大切にしてあげればいいのです。
しかし一方で、
「そのおもちゃがどんなおもちゃなのか」ということを理解しておくと、役に立つことがあります。
親がそのおもちゃがどういうおもちゃなのか理解することが大切なのです。
あくまで目安として、おもちゃを5段階評価してみます。
- 5点:興味性・知育性・アクセス・クオリティ いずれも「とても」高い
- 4点:興味性・知育性・アクセス・クオリティ いずれも高い
- 3点:普通。子供や親の遊び方次第。
- 2点:夢中になりやすいけど知育性は低い、知育性は高いけど子供からしたらつまらない。などアンバランス。
- 1点:興味性・知育性・アクセス・クオリティ いずれも高くない
の5段階評価です。
この考えでいくと、
「スタディ将棋」は4点かなと思います。
どうしてもルールが複雑な面があるので、親が子供の段階に応じてうまくルールを簡略化したりヒントをあげたりしないと途中で挫折してしまうでしょう。
とはいうもののそんな将棋を子供が興味を持って楽しめるような配慮が「スタディ将棋」にはなされています。
ちなみに、こういった「駒の動きが書いてある将棋」は類似品が他にもいろいろありますが、物のクオリティーや価格などを考えると、
くもんの「スタディ将棋」が一番コスパが良くて買うならこれかなと思います。