サ行の構音訓練

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【構音訓練】「す」を出す方法|子供の発音の指導方法(サ行)

公開日:2024年5月31日

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「す(su)」の誘導

 前回のステップでサ行の基礎となる「s(無声歯茎摩擦音)」を安定化させました。

 このステップでは「s(無声歯茎摩擦音)」から「す(su)」の音を誘導・産出していきます。

 いよいよ「す」の音を実際に出す練習となります。

 
 
 

解説

意義

 サ行の音を出すには、「s(無声歯茎摩擦音)」を出す必要があります。

 「s(無声歯茎摩擦音)」は舌端と歯茎で狭い空間を作り、そこから摩擦した呼気を出します。

 これまでのステップでこの「s(無声歯茎摩擦音)」を習得しました。

 「す」の音を出すためによく用いられる方法は、漸次接近法(ぜんじせっきんほう)にて「s(無声歯茎摩擦音)」から「す」を誘導します。

 つまり「s」と「う(u)」を徐々に近づけながら構音していきます。

 
 

方法・手順

「s」と「u」を構音

 「s」が安定的に出せることを確認した上で、「s」のあとに「u(つまり『う』の音)」を出してもらいます。

 「s……u」とはじめは間隔を空けて丁寧に構音します。

 

「s」と「u」を近づける

 「s……u」を「s…u」のように徐々に間隔を短くし、最終的に同時に言って「su(す)」にしていきます。

 遊びを通した練習方法としては、磁石を使ったものが例としてあります。

 2つの磁石のうち、一方を風の音(つまり「s」)、他方を「う」の音とします。
 2つの磁石の距離に応じた「s…u」を言います。
 そして磁石が短い距離でくっつく様子から「su」を出していきます。

 あるいは、「s」と「う」を紙に書いて距離感を視覚化する指導方法などもあるでしょう。

 

キーワードとなる単語がある場合

 子供がすでに「す」の音を出せる単語がある場合は、その単語使うことも有意義です。

 例えば「リス」という単語なら「す」が言える場合は、まず「りーすー」と伸ばして構音してもらいます。

 次に、「り」は口の形は作りますが音は出さずに「(り)ーすー」と発音し部分的に「す」を出せるようにします。
 次第に「り」の口の形をしなくても「す」が出せるようになれば単音での「す」の構音が可能となるでしょう。

 

気をつけること

 練習の中で「無声後部歯茎摩擦音(『し』に近い音)」が出てしまった場合は修正するか、あるいはきれいに出ているのであれば先に「し」の練習を行ってもいいでしょう。

 
 
 

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参考資料

湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年

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