音楽は多くの人が親しみのある娯楽の一つです。
しかし身体に重篤な障害があるとなかなか自分で音楽を鳴らしたり音楽機器を操作できないことがあります。
一昔前は音楽を聴くための機械と言えばラジカセやCDプレーヤーでした。
これらはある程度手が自由に使えないと扱いは難しいものです。
しかし時代は変化していきます。
今は音楽の聴き方は千差万別。
寝たきりのような体に大きな制限のある状態であっても工夫次第で自分で音楽を聴くことはできます。
身体の動作に制限があるとき、スイッチを使うと音楽鑑賞のための機器操作が可能になります。
身体の何らかの動きによって、スイッチを一つでも押すことができれば機器操作は可能です。
補足記事:スイッチの選び方
補足記事:スイッチの具体的な種類
その人に合ったスイッチを選べたら、それらを使って機器を操作します。
扱うスイッチが1つならオートスキャン操作になります。
2つならステップスキャンになります。
スイッチが5つ以上押せるか、ジョイスティックが操作できるならさらに自由度は高くなるでしょう。
補足記事:スキャン方式の種類は?
どの端末でも利用でき、なおかつ無料で使えるサービスの王道としてYouTubeが挙がるでしょう。
スイッチによりYouTubeを操作できれば余暇活動の幅は一気に広がります。
また、自分で操作することにより、検索したり動画を選んだりといったインターネットリテラシーもつきます。
iPadでスイッチを使ってYouTubeを操作する方法です。
まずiPadにスイッチを接続します。
スイッチを接続するためにはスイッチインターフェースが必要です。
iPad用のスイッチインターフェースには有名なところでiPadタッチャーがあります。
補足記事:iPadタッチャーとは?
また、Bluetoothによる無線接続ができるできiPadもあります。
補足記事:できiPadとは?
あるいはスイッチインターフェースを自作してもおもしろいかもしれません。
iPadを接続できたら、スキャン操作をするための設定をします。
「設定」のアクセシビリティにてスイッチコントロール機能を使います。
パソコンを使ってYouTubeを操作する場合です。
パソコンも同様にまずはスイッチを接続するためにパソコン用のスイッチインターフェースを準備します。
有名なものですと「できマウス」があるでしょう。
補足記事:できマウスとは?
パソコン用スイッチインターフェースを自作する場合は以下を参考に。
補足記事:パソコン用スイッチインターフェース自作
1スイッチで操作する場合はスキャンをしてくれるソフトを使う必要があります。
無料で使えるものとしてはHearty Ladder(ハーティーラダー)があります。
Hearty Ladderはもともと1スイッチで文字を打つためのソフトですが、機能の一つとして1スイッチスキャンによるパソコン操作機能も入っているのでこれを用います。
補足記事:HeartyLadderとは?
1スイッチを押す以上に、もう少し自由に手足が動く場合はコントローラーを使ってパソコンのマウスカーソルを操作してもいいかもしれません。
補足記事:JoyToKeyとジョイスティックコントローラーで障害者用マウス操作機器を作る実例
家電量販店にはパソコンに接続できるゲームコントローラーがいろいろ売ってあります。
いずれもマウスやキーボードよりも手の動きを必要としないので上肢障害のある方にとっては扱いやすいかもしれません。
コントローラーはJoyToKeyなど無料のソフトでマウスの代わりにすることができます。
音楽鑑賞にはYouTube以外にも方法はあります。
例えばWindows Media Player。
ウインドウズのパソコンに標準で入っている音楽プレーヤーです。
Windows Media Playerのショートカットキーをスイッチに割り当てることで音楽をスイッチで再生することができます。