重症心身障害児者など身体動作に不自由さがある方の支援において、
自分の体を動かすことで外界の状況が変化するという経験を積極的に取り入れることは大切です。
私達は普段何気なく行っている立つ・歩く・物を持つ・動かすといった動作を通して身体感覚や認知能力を発達させて大人になっていきます。
先天的に身体動作が重度に障害されている場合、
これらを学ぶ機会が少なく、結果、本来身に付くはずの身体感覚や認知能力に影響が出る場合があります。
因果関係を学ぶ、因果関係を意識する習慣をつけることは大切です。
因果関係とは「これをしたからこうなった」という過程と結果の関係です。
重症心身障害児の療育において、スイッチを使った教材は因果関係の学習を促します。
スイッチを押すとランダムに音が出る教材を作ってみたいと思います。
スイッチを押すといろいろな音が出る。
「これはなんだろう?」と興味を持ち、スイッチを押してみる。
重度の身体障害により、生活面は介助が多いので普段自分で手足を動かす機会は少ないですが、スイッチなら押せる。
体を工夫して動かし、スイッチで音を出し、身体動作を学習していく。
そんな教材を作ってみます。
必要なもの
・パソコン
・できマウス
・スイッチ
必要なソフト
・JoyToKey
・バンバンキーボード
手順
1.道具の接続
2.JoyToKeyの設定
3.バンバンキーボードの設定
パソコンとできマウス、スイッチをつなげます。
スイッチは対象者の身体動作に合った物を使いましょう。
補足記事:スイッチの種類
JoyToKeyを設定します。
今回はスイッチに左クリックかスペースキーを割り当てます。
・JoyToKeyをインストールする方法
・左クリックを設定する方法
・スペースキーなどキーボードのキーを設定する方法
今回、ランダムに音を出す教材としてフリーソフトの「バンバンキーボード愛ちゃん」を使いたいと思います。
バンバンキーボードはキーボードやマウスを押すとランダムで音や記号が出てくるソフトです。
このソフトをスイッチを使って操作します。
補足記事:バンバンキーボードのインストールや使い方
スイッチに左クリックを割り当てた場合は、
カーソルがある位置にランダムに記号が現れます。
音もランダムに鳴ります。
スイッチにスペースキーを割り当てた場合は、
ランダムに画面上のいろいろな位置に記号が出て音が鳴ります。