サ行の構音訓練

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【構音訓練】「しゃ・しゅ・しょ」の単音の練習|子供の発音の指導方法(サ行)

公開日:2024年9月10日

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「しゃ・しゅ・しょ」単音の誘導と固定

 前回のステップで「し」の音の練習が完了しました。

 このステップでは「しゃ・しゅ・しょ」の単音の誘導と固定を行っていきます。

 構音訓練は一度の練習でひとつの音が基本となります。
 複数の音を同時に練習すると、子供が混乱してしまう可能性があるからです。

 しかし「しゃ・しゅ・しょ」など拗音については、まとめて練習を行うことが多いでしょう。
 これは先にサ行の音を練習し、すでに獲得している流れがあるからです。

 
 
 

解説

意義

 「しゃ・しゅ・しょ」の音の練習をするにあたっては、「し」の音の獲得状況が重要になります。

 練習の流れとしても、日常で使う頻度を考慮しても、「し」が出ていない場合は先に「し」の練習を行うことの方が無難でしょう。

 サ行において「し」はどちらかと言えば「しゃ・しゅしょ」に近い音です。
 このため「し」の音の習得は「しゃ・しゅ・しょ」の構音について波及効果が期待できます。

 ただし「し」よりも先に「しゃ・しゅ・しょ」いずれかの音でキーワードとなる単語がある場合はこの限りではありません。

 
 

指導方法・手順

キーワードがある場合

 すでに「しゃ・しゅ・しょ」が構音できている、構音できる単語がある場合はその単語をキーワードとして用います。

 例えば子供が「きしゃ(汽車)」という単語は言えているとします。

 この場合まずは「きーしゃー」と伸ばすように前後の音を離していきます。

 そして今度は「きー」の部分だけ(口の形はしますが)音を出さないようにします。
 このようにして「しゃ・しゅ・しょ」だけを発音できるようにします。

 上記ができるようになったら今度は「きーしゃーあー」のように(「きー」は口の形だけ)逆に音を付け足しても言えるようにしていきます。

 このようにしてキーワードとなる単語を使って音の分離・接合をしていきます。

単音への誘導

 キーワードとなる単語がない場合、なかなか「しゃ・しゅ・しょ」の音が出ない場合は、漸次接近法(ぜんじせっきんほう)にて単音を誘導していきます。

 「し……や」と構音し、この間隔を短くしていきながら「しゃ」の構音を目指します。
 「しゅ」「しょ」についても同様です。

 慣れてきたら「しゃ、しゃ、しゃ」など連続で出せるようにしていきます。

 目安としては50回連続で正しく構音できるよう目指し、できるようになったら次のステップへ進みます。

 
 

工夫・遊び

 「しゃ・しゅ・しょ」だけで歌を歌う、会話をするなど遊びは単音の練習として有意義でしょう。

 
 
 

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参考資料

湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年

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