1クラス何人くらいがベスト?
小学校のクラスは、1クラス何人くらいがベストなのでしょう?
クラスの人数が多いと、にぎやかでいろんな子と接することができる一方で、先生の目が届かないのではと心配になったりしますよね。
こと勉強においては、いわゆる「少人数学級」のほうが手厚い指導を受けることができそうなイメージもありますよね。
実際のところどうなのでしょう?
1クラスあたりの人数は少ない方が子供達の学力は上がる傾向はありますが、その効果は若干であり、費用対効果としては微妙だというのが教育学では言われています。
以下、もう少し詳しく。
少人数学級は効果があるのか?
国によっても様々ですが、
日本の場合は1クラスが40人くらいだと「多い学級」で、35人以下や30人以下だと「少ない学級」のイメージがあるのではないでしょうか。
少人数学級というのは、実際のところ子供の教育に良い効果があるのでしょうか?
この少人数学級に関する研究で最も有名な研究の1つがアメリカで行われた「スタープロジェクト」という実験です。
スタープロジェクトは6000人以上の子供達を対象にした大規模な実験で、少人数学級と学力の関係性を調べた実験です。
スタープロジェクトの研究結果を分析したプリンストン大学のクルーガー教授によると、
少人数学級は学力を向上させなくはないが、
クラスの学力を向上させるならもっと良い方法がある
ようでした。
要するに、
少人数学級はコスパが悪いのです。
大切なのは情報を知ること
確かに少人数学級を導入するためには教師を多く配置したり、教室を多く設備したりする必要があります。
親の立場では、そもそも公立の小学校などだとクラスの人数を自分達で決められるわけではありません。
このように、少人数学級は実施・実現がたいへんな割に効果が小さい。
では、もっと子供の学力を向上させる方法はなんでしょう?
それは、
親が教育に関する情報を知ることです。
なんだか当たり前のような気もしますが。
教育学の研究で、
教育に関する情報を知らされた親と知らされなかった親では、それぞれのお子さんの学力に差が見られたそうです。
そして親が情報を持っているかいないかは、クラスの人数が何人かということよりよっぽど子供の学力に影響したそうです。
ここでいう「教育に関する情報」とは、「勉強することは大事」といった曖昧でありがちな情報ではなく、
例えば
「高卒と大卒だと生涯賃金が1億円くらい違う」といったきちんと調べられた統計的な情報などです。
まとめ
小学校のクラスは、1クラス何人くらいがベストなのでしょう?
少人数学級のほうが手厚い指導を受けることができそうなイメージがありますが、
実際のところクラスの人数は子供の学力に大して影響はありません。
それよりは、
親自身が教育に関するきちんとした情報を得ていることの方が大切です。
そう考えると、
クラスの人数がどうこうというより、そのクラスが子供にとって楽しい雰囲気かどうかが重要ですね。
ちなみに、コスパで言うとなかなか微妙な少人数学級ですが、
貧困世帯を対象にした少人数学級は平均的な世帯を対象にした少人数学級よりも効果が大きいそうです。
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