就学児の言葉の力で気を付けること
子供の言葉の発達相談、とりわけ、小学生(就学児)の学習面においてよく挙がるのが
文章問題が苦手
という内容です。
漢字はそれなりに書ける。
あるいは興味を持っている。
算数の計算もある程度できる。
九九もそれなりにこなせている。
しかし、
国語も算数も文章問題になると途端に苦戦している。
こういったケースが比較的多い気がします。
このような場合、文章を「読む力」・「書く力」もさることながら、
そもそも文を理解し表現する言葉の「理解力」と「表現力」の基礎ができているかを振り返る必要があると考えます。
小学校ではつい読み書きばかりに意識が向いてしまう
目の前にある文章問題を読み取り理解し、そこらか自分の文章で解答できるか。
この「読み」「書き」の力を考える前に、
そもそも文章を扱うための言葉の力が備わっているかを考える必要があります。
幼児期と比べると、小学校では途端に読んだり書いたりする時間が増えます。
そして子供にとっての学習は、もっぱら言葉を「読む」「書く」ことが主になります。
しかし当然ながら、「聞いてわかる」「言葉にできる」力がなければ、「読んでわかる」も「文字に起こせる」も難しいでしょう。
今の我が子の言葉の力はどのくらいか
子育てにおいて多くの場合、親は2歳前後の子供の言葉の量には敏感です。
子供は1歳前後から言葉を話し始めます。
そのためどのくらい子供が話せているか。
1歳前後の子供を持つ親は非常にデリケートに観察します。
しかしそれも4~5歳頃になるとその意識はだんだん薄れていきます。
4~5歳頃になると子供はそれまでと比べると急速に言葉が増えます。
親は子供がなんでも話せてなんでもわかるわかっている感覚に陥ります。
しかしながら実際は、
子供は6~7歳頃に助詞の意味や受動態の理解、皮肉の理解など言葉の重要な面を身に着けている途中です。
逆に言うと、これらが適齢期でも身についていない子供達は、日々のコミュニケーションや学習に苦労します。
しかし言葉数としては少なくないので、多くの親はこういった言語発達を子供が獲得しているかどうか知らないまま就学を迎えます。
そして、文章問題でつまづきます。
基本となる文法や文脈の理解が身についていないため、それを文章で読んでも理解することができないし文字に起こすことができません。
1年生は7歳になる年です。
つまり6歳相当の言葉の力は身に着けている必要があります。
2年生なら8歳ですから、7歳相当の言葉の力が必要になります。
その時期の読み書き学習に必要な基本となる言葉の力を身に着けているかどうかが大切です。
これらが身についていない状態で、ひたすら文字を読んだり書いたりしても本質的な理解には結び付きにくいでしょう。
日々のやりとりや会話の中で、子供の言葉の力を見てあげることが大切です。