田中ビネー知能検査Ⅴとは?
田中ビネー知能検査Ⅴとは、知能検査の1つです。
田中ビネー知能検査は医療・福祉機関で行われる有名な知能検査の1つであり、田中ビネー知能検査Ⅴは数字の通り改訂されたバージョン5ということになります。
解説
概要
田中ビネー知能検査Ⅴは知能検査であり、実施することでその人の知能指数を算出できます。
田中ビネー知能検査Ⅴにおいては知能指数は、古典的な知能指数(IQ)と偏差知能指数(DIQ)の双方を併用しています。
古典的な知能指数(IQ)とは精神年齢(MA)と生活年齢(CA)の比によって求められた知能指数です。
これに対し偏差知能指数(DIQ)とは、同年齢グループの中でどの程度の発達レベルに位置するのかを把握する数値です。
田中ビネー知能検査Ⅴが古典的な知能指数(IQ)と偏差知能指数(DIQ)を併用するのは、
成人後は知能の発達が緩やかになり老年になると下降していくという人間の知的発達の傾向から、精神年齢の概念は成人後にはあまり有用ではないという考えが背景にあります。
検査の特徴
田中ビネー知能検査Ⅴの特徴の1つに、問題構成のわかりやすさがあります。
知能検査に限らず、発達検査には個々の問題が具体的に何歳相当なのか明記されていないものが少なくありません。
こういった検査は全ての問題を実施した合計点からしかその子のレベルを出せません。
対し、田中ビネー知能検査Ⅴは個々の問題にそれぞれ年齢級が明記されており、さらにそれらが難易度順に並んでいます。そのため個々の問題の難易度が一目瞭然です。
こういった構成から、田中ビネー知能検査Ⅴを知ることは、子供の正常発達の流れを知ることにも役立ちます。
対象年齢や実施時間
田中ビネー知能検査Ⅴの対象年齢は2歳~成人となっており、幅広い年齢層に対応しています。
2~13歳までは古典的な知能指数(IQ)を、14歳以上では偏差知能指数(DIQ)を算出できます。
実施における所要時間は1時間から1時間半ほどになります。
参考資料
『発達障害者支援とアセスメントに関するガイドライン』(国立障害者リハビリテーションセンター)2021年3月15日検索