適応行動とは?
適応行動とは、その人が日々の生活を円滑に送るためにできている行動のことです。
適応行動という言葉は特別支援教育や障害児療育の現場にてしばしば登場する言葉です。
障害者支援においてはその人の机上の能力だけでなく、実生活での適応能力の把握も重要です。
そのため知能検査などの検査と併行して、こういった適応行動の評価が求められることが少なくありません。
解説
適応行動評価の意義
例えばある言葉の表現がわからなかったときに、その場の空気を察してそれなりに返答できる人と固まって何も返答できない人では実生活の送りやすさが異なるでしょう。
障害の有無に関わらず、人は実年齢が上がり様々な経験を重ねる中で、そういった処世術のようなものが上達しいきます。
これらは知能検査のような検査ではなかなか測れないものです。
本人の机上での能力とは別に、こういった適応行動の力を見ていくことは生活に根差した支援を行う上で大切です。
適応行動の定義
適応行動はその人の生活の中で、その生活を円滑にしている行動を指します。
そのため何が重要な適応行動かは、その人の状況・年齢によって異なります。
また、どんな適応行動能力が必要かは、その人が何を生活に求めるかにもよります。
例えばある人にとってはフォークとナイフを使いこなすことが重要な適応行動であっても、別のある人にとってはお箸を使えるか否かが重要な適応行動かもしれません。
このように、適応行動の評価はその人の生活環境や文化的背景によっても変化します。
ちなみに、日常生活場面に不適切ないわゆる問題行動は「不適応行動」とも言われます。
適応行動の評価
全般的な適応行動の評価方法としては、日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱが有名です。
また知能検査がなかなか実施しにくい重度の知的障害者の支援にも適応行動評価は有意義です。
この場合は「重症心身障害児(者)の適応行動評価」などが役に立つかと思います。
補足記事
参考資料
『発達障害者支援とアセスメントに関するガイドライン』(国立障害者リハビリテーションセンター)2021年3月15日検索