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テンキーでマウスカーソルを動かす ~KeyPointer~

公開日:2017年1月7日

障害者IT支援においてパソコンの操作環境をどう構築していくかは重要な支援のひとつです。

脳性麻痺肢体不自由などによりパソコンのキーボードやマウスがうまく扱えない場合、操作環境を補助する必要がでてきます。

今回は「キーボードは押せるけどマウスの操作ができない」といった状況に関して書いていきます。
 
 
 
【対象者は?】
「キーボードは押せるけどマウスの操作ができない」とはどのような状況かと考えると、まずは肢体不自由などによる上肢の細かな運動の麻痺があります。

腕はある程度動くけれど、マウスを手に持ったまま腕を動かすのが難しい。
クリックのために指を1本だけ独立して動かすような細かな動作が難しいなどの場合です。

そしてもうひとつのケースが障害者用のポインティングデバイスを使用している場合です。

「腕が動かないため口に割りばしを加えてそれでキーボードを押す」ような状況がこれにあたります。
この場合はキーボードは押せてもマウスを扱うことは困難です。
 
 
 
【どうすればいい?】
マウスの機能を別の機器で代替する方法はいくつかありますが、今回はテンキーを使う方法でやってみましょう。

テンキーでマウス機能を代替する方法は、導入コストを非常に安く抑えられる点がメリットです。
 
 
 
【テンキーとは?】


テンキーとはパソコンキーボードの右側についてる電卓のような数字キーの部分です。

USB接続で使える別個のテンキーもあります。
家電量販店などで購入できます。

安いものは1000円以下で手に入るのが魅力です。
また大きさや形なども様々で選択肢が豊富なのも長所でしょう。
 
 
 
【なぜ、テンキー?】
テンキーにマウスの操作を割り当てることのメリットはいろいろあります。

・テンキーは安く買える。
・種類もいろいろ
・文字入力を妨げない

キーボードにマウスの操作を割り当てている間は、当然そのキーの本来の機能は使えません
そのためアルファベットのキーにマウス機能を割り当てると文字入力に支障が出ます。
しかしテンキーならばその心配はありません。

キーボードにマウスの機能を割り当てる際はテンキーに割り当てることをおすすめします。

テンキーにマウスの機能を割り当てるイメージは例えばこのような感じです。

ゲームコントローラーの十字キーのような感覚です。
もちろんどのキーにどの機能を割り当てるかは設定で変えることができます。
 
 
 
【フリーソフトを使おう】
テンキーにマウスの操作を割り当てる方法はいくつかあります。

Windowsパソコンなら標準機能で割り当てることも可能ですが、
今回はより使い勝手が良いKeyPointerというフリーソフトを使いましょう。
 
 
 
【KeyPointerとは?】
KeyPointerとはキーボードにマウスの機能を割り当てるフリーソフトです。

製作者のホームページによると

『KeyPointer』はキーボードのみでマウスオペレーションを可能にすることを目指した高機能キーボードマウスユーティリティです。

現在、キーボードでポインタを動かすツールは多く存在しています。しかし、その多くは本当にただポインタを動かす事しかできず、完全にマウスなどのポインティングデバイスの代わりになるとはいい難い物でした。

(中略)
この『KeyPointer』はそれらの不満点を解消し、自分にとって実用に耐えられるものを、というコンセプトで製作されています。

とあります。

実際に使ってみるとまさにその通りだと思います。
フリーソフトでありながら高い完成度と高機能を有しています。
 
 
 
【導入も楽】
KeyPointerはフリーソフトであるため無料で使うことができます。

またレジストリをいじらない、インストール不要方式のソフトです。

ホームページからダウンロードして、フォルダの中にあるソフトをダブルクリックすればすぐ使えます。
そのためパソコンを買い替えるときもUSBでコピーして移せばそのまま使えます。
 
 
 
【KeyPointerをダウンロードしよう!】
まずはKeyPointerをダウンロードしましょう。

KeyPointerのダウンロードページ

リンク先のページをスクロールし、
「KPointer_1,0,4,6.lzh」というバージョンをダウンロードしましょう。
まあ、他のバージョンでもあまり支障はないとは思いますが。

ダウンロードしたらファイルを右クリックして解凍しましょう。
 
 
 
【KeyPointerを起動する!】
解凍したファイルを開くと以下のようなファイルがあると思います。


これらのファイルのうち、矢印のイラストのアイコンである「KPointer」をダブルクリックすると起動できます。
 
 
 
【常駐バーからメイン画面起動】
起動するとパソコンの右隅の常駐バーにKeyPointerのアイコンがでてきます。


矢印が赤マルで囲まれるアイコンがKeyPointerです。
見当たらない場合は▲を押して隠れてないか見てみましょう。

KeyPointerのアイコンをクリックすると設定のためのメイン画面が開きます。
 
 
 
【KeyPointerメイン画面】

メイン画面です。
設定内容は大きく3種類あります。
 
 

赤枠がカーソル移動速度の設定
青が割り当てるキーの設定
緑が応用設定になります。
 
 
 
【速度の設定】
KeyPointerは車のアクセルを踏んだ時のように、キーを押し続ける時間が長いほどカーソルの移動速度を速くできます。

「通常速」キーを押した最初のカーソル速度です。
「最高速」は加速したカーソル速度の最高速度です。
「インターバル」は通常速から最高速に至るまでの時間です。

この加速度が設定できるのはKeyPointerの特徴で、他のソフトには比較的少ない機能です。
加速度が設定できると細かい操作と大きな操作の両立ができるので非常に使い勝手が良くなります。
 
 
 
【割り当ての設定】
キーの割り当ては書いてある通り、「Ctrl」キーを押しながら該当するキーを押せば設定できます。


画像の例でいくと、テンキーの5に左クリックを割り当てたいので、設定画面の「左ボタン」の入力欄に「Ctrl」キーを押しながらテンキーの「5」を押します。
 
 
 
【応用設定】
障害者IT支援の現場においてはパソコンを活用する際、複数のソフトを使うことがあります。
例えば文字入力を行うために「マウスを割り当てるソフト」と「画面上にキーボードを表示するソフト」などです。

これらは別個に起動してもいいですが、どうせ一緒に使うのでまとめて起動できると楽です。

「KeyPointerの後に起動する常駐アプリケーション」はそのように一緒に起動したいソフトを設定できます。

ここはまあ応用操作ですので必要なら個々で実際にやってみてください。
 
 
 
【気をつけること】
NumLock(ナムロック)キーというのがテンキーにはあります。

テンキーのキーは状況により数字入力「↑、↓、←、→」などの入力という2つの役割があります。
これらを切り替えるのがNumLockです。

製品にもよりますが、基本は「NumLock」や「Num」などと表示され、押すとテンキーについているライトが点いたり消えたりします。

うまくキーを割り当てられない。
うまく動作しない。
そのような場合はNumLockキーがONなのかOFFなのか確認して双方試してみましょう。

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