心理学

徹底的行動主義とは?|意味や例をわかりやすく解説

公開日:2023年10月15日


 
 

徹底的行動主義とは?

 「徹底的行動主義」とは、人の行動を「刺激」→「反応」→「強化刺激」という流れで説明する理論のことです。

 行動主義心理学の考え方の1つであり、心理学者のB.F.Skinner(スキナー)による行動分析は有名です。

 
 
 

解説

行動主義心理学とは?

 行動主義心理学とは、人間が取った行動の理由を科学的・心理学的に説明する試み・学問です。

 人がなぜそのような行動を取ったのか。
 その人がなぜそのような心理状況になったのか。

 これらを「心」という言葉で終わらせず、何らかの要素によって客観的に説明を試みるのが行動心理学です。

 そして「徹底的行動主義」はその理論の1つになります。

 「徹底的行動主義」は行動分析の枠組みとして「三項随伴性」を用います。

 
 

三項随伴性とは?

  • 誘発刺激(SE)または弁別刺激(SD)
      ↓
  • レスポンデント(RR)またはオペラント(RO)
      ↓
  • 強化刺激(SR)

 三項随伴性とは上述のような3つの段階で行動を解釈する方法です。

 具体例として、B.F.Skinner(スキナー)による「スキナー箱」を例に考えます。

 スキナー箱にはネズミがおり、ブザーが鳴った時にレバーを押すとエサが出る仕組みとなっています。

  • ブザーが鳴る
      ↓
  • レバーを押す
      ↓
  • エサが出る

 このようにネズミは「エサが出る」という強化刺激によって「ブザーが鳴った時にレバーを押す」という行動が強化されていきます。

 
 

徹底的行動主義の特徴

 徹底的行動主義は三項随伴性により行動を説明します。

 このように徹底的行動主義はシンプルでわかりやすく、実験場面での行動分析に便利です。
 一方で、日常の複雑な行動分析には不足な面も否めないのが徹底的行動主義の欠点とも言えます。

 徹底的行動主義を補完する理論として便利なものが、「interbehavioral psychology(相互行動心理学)」です。

 
 
 

interbehavioral psychology(相互行動心理学)とは?

 
 
 

参考資料

『場面緘黙(選択性緘黙)の多様性—その臨床と教育—』(日本不安症学会)2023年7月22日閲覧

『Selective Mutism Questionnaire日本版(SMQ-J)の信頼性と妥当性の検討』( 日本不安症学会)2023年9月9日閲覧

『かんもくネット』2023年9月9日閲覧

『行動療法におけるInterbehavioral Psychologyパラダイムの有用性 : 刺激フェイディング法を用いた選択性緘黙の克服事例を通して』(一般社団法人 日本認知・行動療法学会)2023年9月16日閲覧

-心理学

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