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手続き記憶とは?|簡単にわかりやすく解説

公開日:2022年11月3日


 
 

手続き記憶とは?

 手続き記憶とは、俗に言う「身体が覚えている記憶」のことです。

 例えば楽器を弾くことは、言葉や知識でやっているというよりは、身体が自然とやっているという感覚に近いと思います。

 手続き記憶はこのように行為そのものとして表現される記憶です。

 
 
 

解説

手続き記憶の位置づけ

 手続き記憶は「非陳述記憶」の種類の1つです。

 非陳述記憶とは、言葉やイメージではなく行為として思い出される記憶の総称です。

 反対に言葉やイメージで表すことができる記憶を陳述記憶と言います。

 非陳述記憶と陳述記憶は記憶を「覚えている内容」で分類した場合の名称です。

 ちなみに記憶を「覚えていられる時間の長さ」で分類した場合は長期記憶や短期記憶といった名称が使われます。

 非陳述記憶はおおむね手続き記憶のことを指しますが、

 厳密には非陳述記憶は「手続き記憶」やその他(「プライミング」や「条件反射」)を含んだ総称になります。

 
 

手続き記憶の特徴

 手続き記憶は同じような経験の繰り返しによって形成されます。
 このため「いつそれを覚えたか」という点は忘れてしまっていることが多いです。

 手続き記憶は作業の正確性や速度を向上させてくれます。
 この点も俗に言う「身体が覚えている」という感覚に合致する点でしょう。

 手続き記憶の概要としては、学習技能・運動技能・知覚技能・認知技能などがあります。

 
 

手続き記憶の例

 手続き記憶の例は以下のようなものが挙げられます。

  • 自転車の乗り方
  • 楽器の弾き方
  • パソコンのタイピング
  • 何度も言ったことがあるので、すらすら話せるスピーチ
  • (慣れた人の)テントの組み立て

 
 
 

非陳述記憶とは?

 
 
 

記憶の分類の一覧

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索

『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧

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