陳述記憶とは?
陳述記憶とは、言葉やイメージにすることができる記憶のことです。
宣言的記憶、顕在記憶とも言われます。
勉強で覚えた知識や、友人との食事の内容などが陳述記憶に該当します。
反対に、自転車の乗り方や靴紐の結び方など言葉や理屈ではなく感覚で覚えているような記憶を非陳述記憶と言います。
解説
陳述記憶の位置づけ
陳述記憶は記憶を「内容」で分類した場合の種類の1つになります。
記憶の分類でよく耳にするものとして「長期記憶」や「短期記憶」があるかと思います。
これらは記憶を覚えておける「時間の長さ」で分類した場合の名称です。
これに対し、記憶を覚えている「内容」で分類したものが冒頭の「陳述記憶」や「非陳述記憶」になります。
陳述記憶はさらに細かく分類すると「エピソード記憶」と「意味記憶」に分類されます。
陳述記憶の特徴
基本的に陳述記憶はある程度時間が経ってからでも覚えている記憶を指します。
記憶の性質を考える上で、その記憶が本人の意識から一旦消えてもなお覚えておけるかは重要な観点です。
例えば朝に「今日の夕飯はカレーを作ろう」と思ったとします。
多くの人は日中の仕事をしているときに、四六時中カレーのことを考える人はいないでしょう。
カレーのことは一旦頭から離れ仕事をし、おそらく夕方スーパーで買い物をしているときに「カレーを作る材料を買おうかな」となります。
このように、朝の「夕飯にカレーを作ろう」という記憶は夕方までは意識の外に行きます。そして日中は仕事のことが頭の中を占め、「カレーを作ろう」という記憶(情報)は別の記憶(仕事など)に干渉されます。
陳述記憶は覚えて(記銘)からある程度の時間が経過し他の作業を挟んでも思い出すこと(想起)ができます。
陳述記憶の種類
エピソード記憶
意味記憶
非陳述記憶とは?
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧