タイトル再認テストとは?
タイトル再認テストとは、その人がどのくらい本を読んでいるか(読書量)を評価する方法の1つです。
本のタイトルの一覧を提示し、知っているものをチェックしてもらうテストです。
解説
タイトル再認テストの内容
タイトル再認テストは本のタイトルが記されたリストを提示し、「あなたが知っている本のタイトルに丸をつけてください」と指示し実際にチェックしてもらいます。
ちなみにタイトルではなく著者名でチェックしてもらう「著者名再認テスト」もありますが、意図は同じものです。
タイトル再認テストのポイントは、(被験者には知らせませんが)本のタイトルは実在されるものだけでなく架空のものも同程度含まれている点です。
このため被験者はいわゆる「知ったかぶり」で全てのタイトルに丸をつけることは意味をなさなくなります。
タイトル再認テストの意義
タイトル再認テストとは、読書量推定において欧米圏では標準的に用いられる手法の1つです。
教育学において子供の読書量を把握することは重要です。
「読書をすると国語力は上がるのか?」「読書は学習にどのような影響を及ぼすか?」といった研究には、子供の読書量を正確に把握することが不可欠だからです。
一方で、子供の読書量を把握することは意外と難しいです。
どのくらい読んだかの自己報告はバイアスが考えられますし、逐一子供の読書状況を監視するのは研究に際したコストパフォーマンスに見合いません。
できるだけ簡単に、けれど実情を反映した読書時間の評価方法が必要で、その際にタイトル再認テストは重宝します。
タイトル再認テストは先述のように本のタイトルの一覧をチェックしてもらうだけなので簡便に済みます。
また架空のタイトルを混ぜているので「知ったかぶり」を防ぎ、さらに読書時間を申告してもらうような際に危惧される「過大・過小な申告」といったバイアスも回避できます。
もちろん、タイトル再認テストだけで子供の読書時間を正確に測ることができるかといえば難しい面もあります。
このため子供の読書時間の調査は複数の要素を組み合わせて行うことがあります。
読書量の評価・測定方法
参考資料
『複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月13日閲覧