心の理論の解説

高齢者の心の理論と実行機能|ワーキングメモリの更新の仮説

公開日:2022年1月27日


 
 

高齢者の心の理論と実行機能

 高齢者の誤信念推論能力の低下を説明する仮説の1つとして、実行機能におけるワーキングメモリの更新能力の低下が挙げられます。

 しかしながらこれ以外の研究・見解も多く、心の理論と実行機能の具体的な関連性はまだ不明な点が多いと言えます。

 
 
 

解説

心の理論と実行機能

 心の理論と実行機能にはなんらかの関係があるとする見方が多いです。

 心の理論とは、相手の立場になって考えることができる能力のことであり、もう少し専門的に言うと誤信念の理解を意味します。

 実行機能とは、その人がその目標を達成するための、思考や行動を制御する認知システムを指します。

 
 

高齢者の心の理論

 加齢に伴う心の理論の能力の変化は研究数が多くなく、まだ確定的な説はありません。

 しかしながら1つの説として、加齢に伴い誤信念推論に困難さを占めすケースがあることがわかっています。
 これには実行機能の低下が関連しているのではないかと考えられています。

 
 

高齢者の心の理論に影響する実行機能の下位項目

 実行機能には以下の3つの下位項目があると考えられています。

  • 優勢反応の抑制
  • 認知セットの柔軟な切り替え
  • ワーキングメモリに保持された情報の更新

 心の理論と実行機能は関連するであろう説が比較的有力なのですが、では下位項目のうちどれが特に影響するのかははっきりわかっていません。
 これは加齢に伴う心の理論の変化についても同様です。

 心理学評論の論文を参考にすると、ワーキングメモリに保持された情報の更新が優位に影響していたとする見解もありますが、研究数が多くなく決定打とはなっていません。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

『心の理論の生涯発達における実行機能の役割』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理論」と実行機能の関連性 : ワーキングメモリと葛藤抑制を中心に』(一般社団法人 日本発達心理学会)2021年11月6日検索

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理解」の指標としての嘘をつく行為と葛藤抑制能力との関連』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月8日検索

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