心の理論の解説

-

心の理論と調和性の性格因子|誤信念理解とビッグファイブ

公開日:2024年2月19日


 
 

心の理論と調和性の性格因子

 心の理論のスコアと調和性のスコアには比較的相関が見られます。

 つまり心の理論課題の理解度が高い人は、性格因子における調和性のスコアも高い傾向にあります。

 
 
 

解説

心の理論とは?

 心の理論とは、相手の立場になって考えることができる能力のことです。

 「相手だったらこう思うだろう」という理解力が問われ、有名な課題としては「サリーとアンの課題」などがあります。

 サリーとアンが部屋で遊んでいます。
 サリーはボールをカゴの中に入れて部屋を出ました。
 サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
 サリーが戻ってきてボールを探すとき、どこを探すでしょう?
(答え:カゴを探す)

 このような心の理論の理解は定型発達において4~5歳頃に見られます。

 
 

ビッグファイブとは?

 ビッグファイブとは、人の性格を5つの要素で考える理論のことです。

  • N:神経質傾向(Neuroticism)
  • E:外向性(Extraversion)
  • O:開放性(Openness to Experience)
  • C:誠実性(Conscientiousness)
  • A:調和性(Agreeableness)

 ビックファイブにおいて人の性格は上記のような5つの要素のバランスで説明されます。

 このうち調和性は、人を信用したり利他的な行動に充実感を感じたり、他者との対立を避けるような傾向に関連します。

 
 

心の理論と調和性の関係

 冒頭で述べた通り、心の理論のスコアと調和性のスコアは相関が見られました。

 また別の実験では、調和性のスコアが高い人は「思いやりがある」「慰める」といった言葉に対する処理時間が「襲撃する」「悩ませる」といった言葉よりも長い傾向にあったそうです。

 
 
 

ビッグ・ファイブ理論とは?

 
 
 

参考資料

ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年
 

-心の理論の解説
-

テキストのコピーはできません。