心の理論と調和性の性格因子
心の理論のスコアと調和性のスコアには比較的相関が見られます。
つまり心の理論課題の理解度が高い人は、性格因子における調和性のスコアも高い傾向にあります。
解説
心の理論とは?
心の理論とは、相手の立場になって考えることができる能力のことです。
「相手だったらこう思うだろう」という理解力が問われ、有名な課題としては「サリーとアンの課題」などがあります。
サリーとアンが部屋で遊んでいます。
サリーはボールをカゴの中に入れて部屋を出ました。
サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
サリーが戻ってきてボールを探すとき、どこを探すでしょう?
(答え:カゴを探す)
このような心の理論の理解は定型発達において4~5歳頃に見られます。
ビッグファイブとは?
ビッグファイブとは、人の性格を5つの要素で考える理論のことです。
- N:神経質傾向(Neuroticism)
- E:外向性(Extraversion)
- O:開放性(Openness to Experience)
- C:誠実性(Conscientiousness)
- A:調和性(Agreeableness)
ビックファイブにおいて人の性格は上記のような5つの要素のバランスで説明されます。
このうち調和性は、人を信用したり利他的な行動に充実感を感じたり、他者との対立を避けるような傾向に関連します。
心の理論と調和性の関係
冒頭で述べた通り、心の理論のスコアと調和性のスコアは相関が見られました。
また別の実験では、調和性のスコアが高い人は「思いやりがある」「慰める」といった言葉に対する処理時間が「襲撃する」「悩ませる」といった言葉よりも長い傾向にあったそうです。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年