頭足人を描くのは何歳頃?
頭足人(とうそくじん)とは顔から直接手や足が生えたような、幼い子供が描く典型的な人の絵の1つです。
子供の描く絵は千差万別で、興味の差にもよります。
このため絵だけで子供の成長や発達を判断することは難しいですが、
5歳後半~6歳になっても頭足人しか描けないようであれば、他の発達の側面も含め保育園の先生に相談したり専門家に相談してみてもいいかもしれません。
解説
頭足人とは?
冒頭で述べた通り、頭足人とは顔から直接手や足が生えたような人の絵です。
子供が絵を描く場合の、典型的な発達の経過の1つであり、子供の認知機能を象徴する絵でもあります。
子供は認知機能や手先の発達に伴い、お絵描きにて丸を描けるようになっていきます。
そしてその丸の中に、目や口の相当する点や線を描き、徐々に人の絵を描くことへイメージを膨らませていきます。
その後に胴体をはじめとした身体を描くことに移行していくのですが、その途中経過として顔から直接手や足が生えたような頭足人を描くことがあります。
頭足人を描く行為は発達の過程でよく見られる行為であり、不自然なことではありません。
頭足人は何歳頃から描けるか?
津守式乳幼児精神発達質問紙やグッドイナフ人物画知能検査などを参考にすると、
3~4歳頃ないし5歳頃までのお絵描きに頭足人が見られることが予想できます。
子供のお絵描きにおいて、丸の中に点や線を描いて簡易な人の顔を描く様子は3歳頃から見られます。
その後4,5歳頃には胴体のある絵へ徐々に移行していくと考えられます。
頭足人を描くのはいつまでが許容範囲か?
頭と胴体と四肢がそろった人の絵は、4~5歳頃から描けるようになっていきます。
また、幼児期の場合、発達の遅れが1歳以上の差になると要観察の対象になることが多いです。
これらから、5歳後半~6歳頃になっても頭足人しか描けないようであれば、その他の発達の側面を確認してもいいかもしれません。
もちろん、6歳頃になっても頭足人しか描けないから発達に何か問題があるとただちに決まるわけではありません。
お絵描きは個人によって興味の差がありますし、「こう描かないといけない」と強制するものでもないからです。
しかしながら、6歳でも頭足人の絵しか描けない状況は、客観的に見れば稚拙であることも否定はできません。
このため、「絵は幼さが見られるが、他の発達(運動や言葉)はどうなのか」という視点はあってもいいでしょう。
参考として、以下で5~6歳児の発達の目安を挙げてきます。
5~6歳の発達