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テレビで子供の言葉は増やせるか?~教育学研究より~

公開日:2018年11月15日

 
 

 
 
 

1. テレビやDVDでは子供の言葉は増えない

乳幼児向けに作られた番組やDVDであっても、子供の言葉を増やす効果はないようです。

子育てのプロや学者、企業が作った幼児教育DVDは子供の良い言葉の刺激になりそうなイメージもありますね。

けれど実際は子供の語彙は増えるどころかDVDを全く観ていない子と比べてむしろ少なくなってしまいます。
 
 
 

2. DVDを観る時間が長い乳幼児ほど語彙が少ない

ワシントン大学の研究によると、
赤ちゃん用DVDを観る時間が長い乳幼児ほど、語彙が少ないそうです。

「テレビばかり見せるのは良くない」というのは多くの親御さんが思っていることでしょうが、研究してみてもやはりそうなのですね。

「子育て素人の自分が接するより、プロの人が語りかける幼児向けDVDを見せた方が子供の教育になる」と考える親御さんもいるかもしれませんが、それは正しいとは言い難いようです。
 
 
 

3. DVDの視聴とCDIの評価

国際的に使われている初期言語発達尺度にCDI(マッカーサー・コミュニケーション発達質問紙)という検査があります。

アメリカの100世帯の家庭にCDIを実施したところ、
赤ちゃん向けDVDを1日1時間視聴している乳幼児は、まったく視聴していない乳幼児に比べて知っている単語が6~8語少ないという傾向がありました。

例えばCDIにおいて生後11か月のお子さんの平均的な語彙は16語です。

このうち6~8語少ないということは全体の5割弱くらい語彙が少ないことを示唆しますね。
 
 
 

4. まとめ

例え上手な語り口、多様な言葉遣いであっても、テレビやDVDから流れる言葉だけでは子供の語彙は増えません。

実際に接し、語り合うことで子供の言葉は増えていきます。

「子育て素人の自分が接するより、プロの人が語りかける幼児向けDVDを見せた方が子供の教育になる」なんてことはなくて、

いつだって、親が子供にとって一番の言葉の先生です。
 
 
 

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6. 参考資料

ポー・ブロンソン、アシュリー・メリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年

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