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長期記憶化による脳のパフォーマンス
長期記憶とは、短期記憶よりも長い保持時間の記憶のことで、昨日の食事や数年前の旅行の思い出などが該当します。
作業をする際に必要な情報や手続きを長期記憶化しておくと、ワーキングメモリなどのリソースを節約でき、結果として良いパフォーマンスを出せる場合があります。
またスムーズに情報を長期記憶化できれば、テストの暗記科目などで重宝するかもしれません。
以下、日本心理学会の論文を参考に、情報を長期記憶化するために有効な方法を挙げていきます。
解説
教える・説明する
学習したことを自分が他者に教える経験をすると、長期記憶への定着が進みます。
人に教えることは自分の勉強になるというのは昔からよく言われることですが、科学的根拠のある方法と言えるでしょう。
人に教える機会がない場合は、教えるつもりで勉強内容を言語化してみてもいいかもしれません。
疑問を持ち質問する
学習内容について質問を考えることも効果的です。
ただ黙って授業を聞くより、主体的に考え疑問を持ち、質問することは結果として学習を促進させるでしょう。
情報の想起を繰り返す
時間の感覚を空けてテキストを読んだり、読むことを習慣化することも記憶の定着を促進します。
いずれにせよ、情報を思い出す機会を意図的に作ると効果的です。
分散して学習する
一気に勉強を終えるよりも、小分けに長期で学習をしたほうが記憶の定着が促進されます。
一気にやってしまったほうが作業時間は短くなるのかもしれませんが、記憶の定着という意味では分散した学習が効果的です。
ワーキングメモリのトレーニング
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索
『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索
『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧