カ行の構音訓練

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【構音訓練】うがいのための口の体操|子供の発音の指導方法(カ行)

公開日:2023年12月13日


 
 

うがいの口腔運動

 カ行の発音に必要な、うがいの動作を練習します。

 カ行の音、つまり「かきくけこ」は舌の奥の部分(奥舌)を使って発音します。
 同様に奥舌を使う日常的な動作としては「うがい」があります。
 うがいの動作を通してカ行の音を学ぶことは王道の構音訓練の1つです。

 このページでは、そもそもうがいができない子を想定してまずはうがいの動作を獲得していきます。

 
 
 

手順

問診

 まずは子供がうがいができているか確認します。
 子供や親が「うがいができる」と言っていても、実際は奥舌の動きが伴っていない場合があります。

  • 「ガラガラうがい」ではなく「ブクブクうがい」になってしまっていないか
  • 口蓋垂が見えないくらい奥舌が挙上できているか
  • 水の弾ける勢いは十分か
  • 顔を上に向けることができているか

 上記のような点を確認していきます。

 
 

水を含んで吐き出す

 うがいができない子供にとって、水を含んで上を向いたり口を開ける行為は恐怖を伴う場合があります。
 このため練習は少しずつ段階を踏んで、子供に恐怖感・苦手意識が生じないよう細心の注意を払います。

 最初の段階はとりあえず「水を含んで吐き出す」ことから始めます。
 洗面所だけでなく、お風呂や庭などで遊び感覚でやってもいいでしょう。
 水を含み、水鉄砲のように口から水を出します。

 脳性麻痺などにより反射的に水を飲みこんでしまう場合は、まずは飴など固形物を含んで出す練習などを行います。

 
 

水を含む時間を長くする

 水を含む時間を長くしていきます。目安としては10秒ほどを目指します。

 こうして口の筋肉の緊張時間を保てるようにしていきます。

 
 

水を含んだまま上を向く

 水を含んだまま上を向けるように練習します。
 最初は1,2秒、最終的には10秒ほどを目指します。

 こうして水が喉に流れ込まない口の動きを獲得します。

 上を向くことができるようになったら、今度は水を含み上を向いたまま口も開けるようにします。

 脳性麻痺や口蓋裂がある子の場合は誤飲したり嘔吐反射を起こす場合もあるので気をつけましょう。

 
 

水なしで奥舌を挙上させる

 水を使わずに奥舌を挙上できるように練習していきます。

 子供が上を向き口を開けた状態で、指導者がスポイトなどで水を少量口の中に入れます(飲み込んでしまわないよう、静かに優しく注いであげます)。

 上手に奥舌を挙上できていれば、水が口の中にたまるでしょう。

 これらを繰り返し行い、しっかり奥舌の挙上を促します。
 慣れてくると、水がなくても奥舌を挙上できるようになっていきます。

 最終的には「水を注ぐふり」でも子供が意図的に奥舌を挙上できるようになることを目指します。

 指導者が実際の子供の奥舌の動きを確認しながらしっかり行っていきます。

 
 
 

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参考資料

湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年

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