生まれた季節(誕生日)で性格は変わるのか?
生まれた季節によってその人の性格が異なる可能性があることが、心理学の研究からわかっています。
まだまだ結論を出すには途中段階と言えますが、興味深い所見ではあります。
解説
生まれの季節と性格
人のパーソナリティに関する研究によると、パーソナリティの測定値が誕生の季節によって異なることがわかっています。
具体的には、秋と冬に北ヨーロッパで生まれた人々は、若者になってから新奇性追求のスコアが(春・夏に生まれた人より)高かったそうです。
新奇性追求は刺激を探索し報酬を求める外向性と関わる尺度と考えらえます。
これらの所見がまだ完全に証明されてはいませんが、おもしろい所見と言えるでしょう。
ちなみにフィンランドにおいて秋から冬は作物の収穫期であることなどもあり、子供の生存率が全体的に高かったそうです。
このあたりの環境が外向性になんらかの影響を及ぼしているのではないかという仮説がありますが定かではありません。
人の性格因子
人の性格をどのようにとらえ、分析するかは諸説ありますが、その中でも比較的有名なものに「ビッグファイブ理論」があります。
これは人の性格を5つの因子で考えます。
その5つとは神経質傾向・外向性・開放性・誠実性・調和性となっています。
これらのスコアのバランスでその人の性格を分析します。
5つの因子のスコアは当然人によって異なるのですが、ではどのような要因によって差異が生じるのか。
人の性格はどのような理論で差異がもたらされるのか。
これは興味深い学問と言えるでしょう。
大きくは遺伝と環境の相互作用と考えられますが、中にはこのような「生まれた季節」という印象としては突飛な要素もあるのかもしれません。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年