いろいろな暗黙のルール

【暗黙のルール辞典】「ご自由にどうぞ」はどのくらい自由にしていいのか?

公開日:2017年4月3日


 
 

「ご自由にどうぞ」という暗黙の了解

「ご自由にどうぞ」
「無料です」
「お好みでお取り下さい」
「Take Free」

世の中にはこちらの裁量で程度を決めていい場面があります。
しかし、「ご自由にどうぞ」はその人の常識が試される場面でもあります。

 
 
 

自由は自由じゃない?

自由の許容範囲

「自由」は何をやってもいいわけではありません。

個人と権利や自由は尊重されて然るべきですが、
あくまで他人の権利を侵害しない範囲での話です。

「自由」であっても人に迷惑をかけてはいけないのです。

どんな物事にも程度があり、程度が行き過ぎると人が迷惑します。
何が良い悪いではなく、程度の問題なのです。

補足記事:「好きにしていいよ」が一番困る

 
 
 

暗黙のルールというソーシャルスキル

世の中には暗黙のルールがあります。
アスペルガー症候群や発達障害を持つ人にとってはこの暗黙のルールを気づき理解することが難しい場合があります。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)において暗黙のルールを理解することは重要です。

 
 

世の中に溢れる自由

世の中には無料でもらえる物や自分が決めていいことがけっこうあります。
そのような小さな自由は人のモラルが試されます。

以下、「ご自由にどうぞ」の例を挙げていきます。

 
 
 

「ご自由にどうぞ」の例

おしぼりを何個も使わない

飲食店に行くと、使い捨てのおしぼりや紙がありますね。
あれは無料だからと言って何個も使うものではありません。

店員さんが毎回もってきてくれるのか、セルフサービスで取るのかにもよりますが、使い捨ておしぼりはせいぜいひとり2枚前後。
基本は1枚で済ませましょう。

 
 

ホテルのアメニティグッズ

ホテルの備品をアメニティと言うことがあります。
ホテルに泊まった際の物の使い方もモラルが出てきます。

だいたいのホテルには使い捨ての歯ブラシがあります。
これを持って帰る人がいますがモラル的にはOKです。

・使い捨て歯ブラシ
・使い捨ての小さな石鹸
・使い捨ての洗顔用ヘアバンド
・使い捨てカミソリ
上記のように人が一度でも使うと次は使えなくなるような使い捨ての物で比較的単価も安いであろうものは持ち帰っていいでしょう。

一方でたとえ消耗品であっても
・ティッシュ
・トイレットペーパー
・ハンドソープ
・ボディソープ
・シャンプーとリンス
などは持ち帰るべきではありません。

補足記事:【SST】ホテルのマナー

 
 

飲食店にいる時間

飲食店にはそれぞれの雰囲気があります。
さっと食べることが目的のお店もあれば、正装して何時間もかけて会話を楽しみながら食事をする場所もあります。

お店の雰囲気に合わせた行動をとる必要があります。

「お金を払った客なんだから自由にしていいだろう」と考えてはいけません。
お客と店員以前に、人と人なのです。

そのお店の雰囲気が自分に合わないのであれば次から行かなければいいだけの話です。
お店の雰囲気を読めない人は次第に人から食事に誘われなくなります。

例えばラーメン屋さんは回転が速いお店です。
さっと食べてさっと支払ってさっと出るのです。
ラーメン屋さんはだいたい1時間以内で回転していきます。

補足記事:【SST】飲食店の滞在時間

 
 
 

おわりに(察するということ)

「ご自由にどうぞ」
「なんでもいいよ」
「好きなものでいいよ」
「あなたに任せるよ」
といった類いの言葉は建前です。

これらは、結局のところ
「こちらの状況を察して行動してね」という意味なのです。

世の中にははっきりと文字で書かれたルールがあって、そのルールを守っていれば何をやってもいいような気がします。
けれど実際は文字に書かれていない目には見えないルールがあって、それを自然と守れない人は社会から距離を置かれるようになりがちです。

これが良いことなのか悪いことなのかは難しい問題です。
しかし良いことか悪いことかは置いておいて、少なくとも現状、世の中はそのようになっています。
 
 
 
マナーを守るということは、社会の暗黙のルールの一つです。

目に見えないルールを守るということは一長一短な面があります。
ルールに縛られ過ぎれば自分の人生を消耗します。
ルールを守らな過ぎると社会から孤立します。
その程度は難しいです。

空気が読めない人にとってマナーや暗黙のルールを守ることは難しいことです。
「なんで?」「それ意味あるの?」「そんなの知らなかった」の連続です。

そのような過程の中で、「このマナーいらないんじゃない?」「そんな暗黙のルール必要ない」と感じることもあるかもしれません。

そいういうときは、なぜこのマナーがあるのかを考えましょう。

世の中の暗黙のルールには、理不尽なものもたくさんあります。
しかしマナーの中には人を思いやるが故のマナーもたくさんあります。

互いを思いやった方が人は幸せになれますし、社会全体もうまく回っていきます。

暗黙のルールの背景の、人の思いやりを考えてみるとルールが頭にすっと入っていくことがあります。

 
 
 

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