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ネガティブを叱るのではなくポジティブを褒める
子供が外出先で騒がしく、静かにしてほしいとき、言葉のかけ方は2つあります。
1つはうるさいことを叱ること。
もう1つは静かにできたことを褒めることです。
2つとも目指すところは「静かにしてほしい」ですが、見る角度が異なります。
育児や教育においてはこのネガティブな伝え方とポジティブな伝え方を上手に使い分ける必要があります。
叱ることと褒めることの意義
「ダメ」と「できた」の見方
子供に何か行動を求める場合、見方が2つあります。
1つはうるさくしないといった「~はダメ・しない」という見方。
もう1つは静かにするという「~する・できた」という見方です。
同じ状況でも、この2つの見方があることを念頭に置きます。
「~はダメ・しない」という言葉かけが有効な状況もあれば、「~する・できた」が有効なときもあります。
行動を減らしたいのか増やしたいのか
大切なのは、どんな言葉かけがその子の行動に変化を与えるか考えることです。
「叱る」という行為は何かを禁止する、つまり「減らすように促すこと」です。
対して「褒める」とは行為を称え、次回もそのような行為を期待する行為です。いわば「増やすように促すこと」です。
このように、働きかけにより他者の行為を「減らしたい」のか「増やしたい」のかという点に着眼することを行動心理学と言います。
育児や教育での言葉かけもこのような行動心理学の観点が必要です。
子供に気づきを与える
常に騒がしい子であれば、その子によって騒がしくすることは習慣であり日常です。
習慣や日常を一気にすべて変えることは、大人でも難しいものです。
まずは部分的に、「静かにする」ということはどういうことなのかを体感していくことが大切です。
そういったときに、「今は静かにできている」「静かにするということはこういう状態のことなんだ」と気づきを与えてあげることが必要です。
子供が一瞬で良い姿勢で座ったり、静かになったときがあったら、「そう、それ!」と気づきを与えてあげます。
「今上手だったよ」と褒めてあげて、
「今度はもう少し長くしてみよう」と段階を踏んであげます。
「うるさい時間を減らす」ではなく、「静かな時間を増やす」という考えのもとで子供の行動を促してあげます。