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日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱとは?
日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱは、日本版ヴァインランド-Ⅱとも言われます。
日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱとは、適応行動を評価する検査の1つです。
適応行動とは、その人が日々の生活を円滑に送るためにできている行動のことです。
日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱは、適応行動全般を評価することができる標準化された検査です。
もともとはアメリカで開発されましたが、国際的に広く使われる適応行動尺度の1つです。
解説
適応行動を評価する意義
知能検査などをはじめとするその人の能力を測る検査は、「実生活ではどうなのか?」という点において不足な点が否めません。
例えばある言葉の表現がわからなかったときに、その場の空気を察してそれなりに返答できる人と固まって何も返答できない人では実生活の送りやすさが異なるでしょう。
このように、日常の様々な場面にどう対応していけるか。
これらが「適応行動」と呼ばれます(ちなみに日常生活場面に不適切ないわゆる問題行動は「不適応行動」とも言われます)。
その人の生活の困難さを支援する上で、机上の能力だけでなく適応行動の把握を行うことは有意義と言えます。
そして適応行動を評価する検査の1つが日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱになります。
対象年齢や所要時間
日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱの対象年齢は0歳から92歳でありほぼ全年齢対象であると言えます。
所要時間は20分~60分程度です。
ただし日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱは半構造化の方式を取っているので時間は状況によって前後する可能性があります。
検査の内容
検査の内容は保護者への質問形式です。
それぞれの質問に対して2・1・0の3段階で答えてもらいます。
日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱの特徴
日本版ヴァインランド適応行動尺度Ⅱの特徴の1つとして、半構造化面接方式による実施が挙げられます。
半構造化面接方式とは、自然な会話形式で質問を実施していく形式です。
一般的な知能検査に見られる、決まった問題を決まった手順で呈示していく方法と異なり、対象者からより自然に正確に情報を引き出せる点がメリットです。
参考資料
『発達障害者支援とアセスメントに関するガイドライン』(特定非営利活動法人 アスペ・エルデの会)2025年3月15日閲覧
『知的・発達障害者のすこやかシリーズ』(国立障害者リハビリテーションセンター)2025年3月30日検索