VMMC(包皮環状切除)とは?
「VMMC」とは「包皮環状切除」を指します。
包皮環状切除とは俗に言う包茎手術のことです。
男性器の包皮部分を環状に切除します。
VMMCは男性におけるHIVの異性間感染のリスクを約60%低下させると考えられています。
解説
VMMCと性感染症
厚生労働省のHIVに関するページによると、VMMCは男性におけるHIVの異性間感染のリスクを約60%低下させると考えられています。
日本においては見た目や衛生面などの理由から行うことが多い包茎手術ですが、HIVの感染リスクという点からもVMMCは有意義であることがわかります。
日本では「HIVの感染リスクを下げるために」という動機で包茎手術を行うことはあまり一般的ではないかもしれませんが、
HIVの罹患率が高いアフリカなどではVMMC(包皮環状切除)は重要な予防的介入の1つとして考えられています。
もちろん、VMMCはあくまでリスクを低下させるだけであり、VMMCをしたからといって感染症のリスクがなくなるわけではありません。
HIVの感染予防は適切なHIV検査や安全性の高い性交渉とコンドーム使用、正しい性の知識の教育が大切です。
VMMCと性教育
世の中の医療にはVMMC(包皮環状切除)というものがあること、これがHIVの異性間感染のリスクを低下させることを知ることは、性教育の1つでもあると言えます。
世界的に認知されている性教育のガイドラインである「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」においても、VMMCについて触れることは明言されています。
VMMCについて知ることは、包括的性教育ではおよそ12~15歳頃の年齢を対象にしたカリキュラムに想定されています。
もちろん日本においてVMMCは「しないといけない」こととまでは言われませんが、その性質や科学的根拠を知ることは大切と言えるでしょう。
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索