離乳中期(7~8か月)とは?
離乳中期とは定型発達において生後7~8か月に相当する離乳の2段階目です。
この時期は「押しつぶし機能獲得期」とも呼ばれます。
文字通り柔らかい食べ物を口の中で押しつぶす、噛むという行為の最初期の段階です。
解説
意義
離乳中期は食べ物を押しつぶして飲み込みやすくすることを経験する段階です。
私達は食べ物を食べるとき、噛んだ後に飲み込みます。
食べ物を噛むことで小さくしたり柔らかくすることで、飲み込みやすくなるからです。
口に入れた食べ物を噛んだり舐めたりして飲み込める状態にすることを食塊形成(しょっかいけいせい)と言います。
離乳中期は(まだまだ未熟ですが)食塊形成の芽生えが見られる時期です。
ただし、離乳中期はまだ食べ物を噛む段階とは言い難いです。
例えば私達はプリンやムースを食べるとき、歯で「噛む」というよりは舌や口の中で「押しつぶす」という感覚が近いのではないでしょうか。
離乳中期はこのような押しつぶす機能を獲得する時期です。
機能
- 口角の水平な動きができる(唇を横に引くことができる)
- 舌の前の方を口内の上(口蓋)に押し付けることができる
- 顎を前後ではなく上下に動かす
- 下唇の乗せられた平らなスプーンから、上唇を使って食べ物を取り込む
- 上記の機能によりある程度の食塊形成を行う
以上のような点に着目しながら、離乳食を食べさせてあげましょう。
また、口角の水平な動きの補足して、離乳中期は唇の左右対称な動きが見られる時期です。
物を食べるためには口の中をモグモグと動かす必要があります。
私達は物を噛むとき、例えば右側で噛んで舌や口を動かして食べ物を左側に動かしまた噛むということができます。
このように食塊を左右に動かすことができるのは口が左右非対称な動きをできるからです。
通常、人が物を食べる場合は口の中が適宜左右非対称な動きをします。しかし離乳中期の赤ちゃんは口を左右非対称に動かすことができず、比較的単調な動きで物を食べます。
離乳食の内容
離乳中期の離乳食は、舌でつぶせる程度の固さの物にします。
補足記事
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索