喃語とは?
喃語とは「ばぶー」などの、それ自体は意味がない乳児期独特の声を指します。
喃語は言葉を話す前段階と捉えられます。
このため喃語自体は意味のある言葉ではないですが、発達の指標としては重要なものの1つになります。
解説
喃語の時期
喃語はおおむね生後5~6か月頃から見れられます。
赤ちゃんの発声はまずクーイング(非叫喚音)と呼ばれる喉を鳴らすような発声から始まり、次に喃語、そして初めて言葉を話す初語へと移行していきます。
このように、赤ちゃんが言葉を話せるようになるためには、前段階としての喃語の充実が大切であることがわかります。
喃語は生後10か月頃までに母国語の音を反映したものとなり、以降に始語へとつながっていきます。
過渡的喃語とは?
初期の喃語は子音と母音の構成が不明瞭で、過渡的喃語とも呼ばれます。
基準喃語とは?
生後8か月頃のなると子音と母音を使った音が出せるようになってきます。
つまり「ばー」などです。
このような状況を基準喃語と言います。
子音や母音を出せるということは、喉だけでなく舌や唇など発声発語器官をしっかり使いながら発声していることを意味します。
もちろん大人の発音と比べればまだまだ不明瞭ですが、様々な発声発語器官を使って音を出すということは、音声言語でのコミュニケーションにおいて非常に重要な営みです。
文字通り、基準喃語はこれからの発声、言葉の発達における最初の基準となるおしゃべりと言えます。
反復喃語
基準喃語と同じくらいの時期に見られるのが反復喃語です。
文字通り子音と母音の同音を繰り返す喃語で「ばーばー」などです。
その後さらに口腔器官や認知機能が発達し、「ばぶー」などの非重複の喃語へと移行していきます。
参考資料
『感覚器の成長・発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月3日検索
『0歳児の言語習得と四肢運動の発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月11日検索
『前言語期の音声発達』(日本音声言語医学会)2021年8月13日検索